大阪民主医療機関連合会(大阪民医連)」は、1953年の創設以来、「いのちの平等」を掲げ、戦後、大阪府下の各地で地域の人々の力でつくられた病院や診療所が力を一つにして、だれもが安心してかかれる医療・福祉の実現をめざし、地域の第一線の医療機関として、病める人々や地域住民の方々と手を携えて、その歩みを続けてきました。
大阪民医連の施設で医師が働く環境には、様々な特徴が挙げられます。まずは、差額ベッド代をとらないなど、“公共性の高い医療を患者さんへ提供できる環境”、経済的な問題で困難を抱える患者には無料低額診療制度をはじめ、SW等職員が懇切丁寧に相談にのる体制があるということ。医師として『差額ベッド代や治療費の心配は必要ありませんので、治療に専念して下さい』と言える環境は、ストレスの低減に繋がります。
次に、勤務日数や当直免除など“働く方々の状況に応じた雇用形態を用意できる”ということ。『出産の前後や子育ての関係で常勤医師として活躍する事を諦め、非常勤医師として週何日かだけ働いている』という先生方のために、当直勤務を減免したり、勤務日数を減らしたりというように、出来る限りその方々のライフスタイルに応じた勤務体系を相談の上実現しています。
そして、“出身大学や年齢に関係なく医師としての技量を磨け、また各種専門医の資格取得も出来る環境である”ということ。例えば、堺市に位置する耳原総合病院は総数21の学会施設認定を受けております。その他の病院でもリハビリテーション専門医や呼吸器内科専門医などの資格取得も出来ますので、これから専門医の取得を目指す方々にとっては最適な環境をご用意しております。
最後に、“看護師をはじめとするコメディカルとの連携がスムースである”ということ。大阪民医連で働くコメディカルスタッフは『患者さんのために』という意識を強く持ち、医師を中心とした民主的な集団医療を行っていますので、スタッフとの信頼関係をつくることで心強いチーム医療をすすめる事が可能です。そういう点も民医連で働く魅力の一つです。


私は大学卒業後から民医連で働いています。大学生の時に参加した学生実習が民医連を選んだきっかけですね。その時は、病棟の診療と往診を見学する事が出来ました。往診では医師を始めとして看護師やリハビリスタッフと、患者さんのご自宅へと訪問しました。
その方は脳梗塞の患者さんだったので、治療してリハビリして終わりではなくて、ご自宅の状況をきちんと把握し、その上で在宅復帰して頂くという事が必要でした。実際行ってみると玄関の段が高かったので、各方面に依頼しスロープをつけました。このように、“医者は病気だけ治しておけば良い”という考えではなく、“生活の場が見える医療”が新鮮に映りましたね。
また、カンファレンスも非常に魅力的でした。医師主導ではなく、看護師やリハビリスタッフからの意見も積極的に出る、というように、“色々なスタッフが参加している”という雰囲気に惹かれましたね。大学病院も熱心に誘ってくださりもしましたが、大学のアカデミックな部分よりも、民医連さんのほうが魅力的だと感じましたね。

西淀病院の常勤医師は週5〜5.5日勤務で夜診と当直が週に1回ずつという勤務体系が基本ですが、私は夜診も当直も免除してもらっています。主治医としても7〜8名の設定ですが、私は5〜6名ほどの受け持ちにして頂いています。その代わり、午前中の外来枠を他の医師より増やしたり、稀に空いている祝祭日で日直に入る等しています。
その時々のライフスタイルに応じた勤務体系を病院側から配慮して下さり、非常に助かっています。また他医師からの理解もありますので、遠慮しなければならないという雰囲気はないですね。時間外の急変についても当直医師が全て対応しています。予め異常時の指示を出していれば呼び出される事も電話での相談もほとんどありません。
小学校1年生と2歳の子供の子育てと常勤医師の両立は簡単ではありませんが、病院側から最大限のバックアップがあるからこそ続けられるのだと思います。

患者の生活を支える医療に熱いのは医師だけではありません。看護師の姿勢も良いのがここの特徴です。患者の医学的問題以外に、社会的・心理的な問題に対するサポートへの情熱が半端ではありません。
病院は病気を診て、ケアを行う所ですが、ここの看護師は積極的に地域に出ていきます。外来に来た患者さんで、医師の診察だけでは生活を支えるのが難しいと思えば、声をかけたり患者さんの家を訪問したりもします。
患者さんの問題に敏感でフットワークが軽く、熱意あふれる看護師がいるのは、他の病院にない強みです。事務職にも同じような文化があります。患者さんの問題に対して、事務職の職員が医師や看護師とチームとして取り組む病院はなかなかありません。医療への熱い志をもったスタッフとともに働ける、すてきな病院だと思っています。

私たちのモットーは、「断らない医療」です。これには、2つの意味があります。まず1つ目ですが、この地域は、経済的に困っている患者さんが多い。仕事がない、身寄りがない、そういう患者さんが比較的多い地域です。
そこで私たちは、経済的理由により診療費の支払いが困難な方などに、お金が無い人でもかかれる病院でありたいと考えています。無差別平等を合言葉に、手を差し伸べています。そのため医師の研修でも、経済弱者の社会支援的な研修を行っています。
もう1つの「断らない医療」とは、救急のことです。堺市の救急輪番制(月2回当番)にも参加し、原則断らないで救急患者さんを受け入れています。もちろん、診察の結果、高度な専門医療が必要な場合は、専門病院に転送することもありますが、重症疾患などもカバーし、全科的な対応ができるように、努力しています。

見学に来た際に、指導医が丁寧に研修医を指導し、研修医が生き生きと働いている姿を見て、働きやすそうだなと思いました。研修面でいうと、この規模にしては救急を頑張っていて、急性期の患者さんが多い一方、地域医療にも力を入れている関係で高齢者も多く、急性期と慢性期のバランスが取れた臨床研修ができることですね。
また、主治医になれることは大きなポイントでした。例えば、大学病院でしたら副主治医にしかなれないでしょう。患者さんの主治医になることは責任が伴いますが、得られることも大きいです。当院では主治医制をとっており、自分が主体性をもって研修できることもここの良さでしょう。
臨床研修が始まっても、働きやすそうだと感じた印象は変わりませんでしたね。指導医の指導は丁寧ですし、医局の風通しが良く他科の先生と気兼ねなく話せて、コンサルトもしやすかったです。大学病院にありがちな医局間の軋轢といったことはなく、精神的にも働きやすい病院です。

業務が多く、大変なこともあると思うけれども、中堅の医師がすごく生き生きしながら働いています。とくに、指導医の先生が頑張っていますね。業務が大変なはずなのに、あれやろう、これやろうと、声をかけて来て看護も巻き込みながら体制を作っていったりします。
私達も、忙しい中であってもいい看護をしたいという想いは強いので、先生からの提案に「そんなのできません」とは言いません。「しょうがないですね。今度何か持ってきてくださいね」くらいのことは言いますが。先生がやりたいことに対しては、きちんと話に乗っかって、こうしたらいいんじゃないかとか、話し合っています。
ですから、病院内の雰囲気は良いと思います。医師にとっても、看護にとっても話をしやすい、言いやすい関係です。医師も難しいことを言ってきますし、看護もこうして欲しいと言います。カンファレンスはもちろん、それ以外でも患者さんについてどうしようかと、よく話していますね。