精神科募集のトレンド(前編)
国の精神保健福祉施策により、長期入院に対する診療報酬の点数を減らし、急性期に再配分する動きが加速しています。精神科医療の現場でも、入院期間の短縮が緊急のテーマとなっており、長期入院患者を早期退院させ、医療機関と地域が連携して患者を支えていく仕組み作りが進められています。
今後、精神科勤務医には、薬物療法その他の治療のスキルに加え、患者あるいはその家族とのコミュニケーション能力、退院後までを視野に入れ、病院の人的資源(作業療法士・精神保健福祉士・訪問看護師等)、物的資源(作業所、デイケア)と地域の社会資源(生活訓練施設・グループホーム・老健等)を結びつけるコーディネイト能力が強く求められると思われます。
■急性期中心の病院
急性期型病院の精神科では、スーパー救急病棟・急性期治療病棟などを有し、病棟ごとに指定医が看護師とともに、患者に対応しています(厳格な看護基準と多人数による治療が必要なため)。
こうした施設では、隔離・拘束や各種制限の経験があり、突発事項に俊敏に対応できる医師、30~40歳の精神保健指定医を求める傾向があります。
■療養中心の病院
療養病床の割合が多い病院の精神科では、急性期症状が回復し安定した患者や長期入院が必要な患者に対応しています。このタイプの病院は、病床数が多いのが特徴です。
そのため、こうした施設では、多人数の管理や療養プログラムの作成などができ、各スタッフに指示を出すことのできる医師が求められ、経験豊富な指定医を求める傾向があります。
■認知症対応の病院
認知症対応の病院では、主に、急激に増加しているアルツハイマー病患者、血管性等の認知症患者に対応しています。
こうした施設では、薬物治療、ケア・プログラム作成などができ、「情緒の安定」を目指して患者に接することができる医師が好まれます。年齢は不問である場合が多く、指定医を応募条件としない施設が多くなります。
■クリニック
クリニックでは、メンタル系の外来により、軽度のうつ・心身症・パニック障害等を中心に軽度の(比較的治療可能な)精神疾患に対応しています。
こうした施設では、薬物治療及び患者とのコミュニケーション(聞く能力、投薬・治療方針の説明能力)のスキルが高く、かつ限られた時間に、大勢の患者に対応できる医師が求められます。
■総合病院
近年登場し、保険点数も取ることができるようになったのがリエゾンです。総合病院では、そのリエゾンにメンタル外来を合わせ、精神科医師の勤務内容としています。
こうした施設では、クリニック的な外来のスキルを有し、かつ、身体疾患を抱えた患者の心理ケアを、他科の医師と協力しながら行うという、幅広い知識とコミュニケーション能力を有する、40代以上の経験豊富な医師を求める傾向があります。
次回は、「精神科の募集状況」をお伝えするとともに、お勧めの求人をご紹介します。





















