常勤先などの普段とは異なる環境で、夕方や夜~朝まで 長時間を過ごすことになる「当直バイト」。
今回は、616名の医師に実施したアンケートのなかから「検食」に関するエピソードをご紹介します。
「当直バイト」についてのエピソード紹介の第二弾となる今回も、医師なら思わず「あるある!」と、膝を打ちたくなるような声を多数お寄せいただいています。早速ご覧ください!
▼「当直バイト」第一弾の記事はこちら▼
ドラマチック!当直バイトの「検食」エピソード
「検食」とは、病院などの施設で患者さんに供給される食の安全を担保するために、事前に試食を行うことをいいます。異物混入食品の発見や、集団食中毒が起こった場合の原因の究明のために実施されているそうです。
もともとは上記のような目的で提供されている「検食」ですが、当直バイトに入る医師のモチベーションにも少なからず影響するのではないでしょうか…?
では早速、実際に医師からお寄せいただいた「検食」にまつわるエピソードをご紹介します。
温かくて味のするものを、適度に食べたい…「残念な検食」
まずは、驚愕や悲しみ、怒り、そして諦めといった 医師たちの情念を感じずにはいられない…「残念な検食」エピソードの数々をご覧ください。
体にやさしい味付け
・基本的に味は薄い。健康にいいと思って食べている。(40代男性/一般病院勤務)
・刺身が出た時は驚きました。岩手県一関市でお盆の時の当直でした。すごい。
ただし、それ以外は精進料理です…。(50代男性/クリニック・診療所勤務)
メインディッシュのチョイスが独特
・いつ行っても豆腐がメインの残念な病院。(40代女性/一般病院勤務)
・メインがヒジキ。(50代女性/一般病院勤務)
ちょっとジャンキーなメニュー
・油が浮いてるナポリタン。(30代女性/一般病院勤務)
未知なる食材・料理たち
・毎回、深海魚みたいな魚が出てきて、全く食欲がわかない病院食が検食としてだされたこと。
食事費用負担はどこの病院に入院しても同額であるが、これなら牛丼屋の牛丼、豚汁定食の方がはるかに良いと思った。(60代男性/大学病院勤務)
・大概のものは文句を言わずに完食するが、10年位前に当直した病院で出た食事には困った。
御飯が紙粘土みたいでどうしても喉につかえ、お茶漬けしても米が水分を吸わず、難渋した。(50代男性/一般病院勤務)
・お好み焼きがメニューの場合 大抵はお好み焼きではなく、バットなどに流して大量にオーブンで焼いたもの?がカットで出るので、のどに詰まる(複数の病院で経験あり)。(50代女性/一般病院勤務)
冷たい…
・検食がおいしかったところって、今まで皆無。適温給餌がないのもだめ。お茶とか最悪。お汁も冷えている。電子レンジがあっても、きちんと清掃されていない。(60代女性/一般病院勤務)
・コロナ禍で対応が立て込み、冷たいお弁当になっていた。(30代男性/一般病院勤務)
多すぎる…
・炊き込みご飯、そば、お好み焼き(患者さんは選択制)を全て出されたとき。
炭水化物が多すぎるが、残して廃棄になるのも勿体ないので、なんとか食べた。(40代男性/大学病院勤務)
少なすぎる…
・救急で寝られない勤務なのにパンとスープで情けなくなった。しかもコンビニの無い施設でした。(40代男性/一般病院勤務)
・病院食そのもの。食パンとジャムのみ(60代男性/一般病院勤務)
検食が、ない…
・ほかの医師に検食を食べられた(30代男性/一般病院勤務)
・検食が容器だけで中身がなかった時。(30代男性/一般病院勤務)
・検食があると聞いていたのに出ない。ひもじかったです(50代男性/クリニック・診療所勤務)
リアルに検食
・検食のおかずがきざみ食で、ご飯も軟飯が出る施設があり、残念です。(40代女性/大学病院勤務)
・重身の施設で、流動食?みたいな検食は驚きました(30代男性/一般病院勤務)
美味!豪華!希少!な「キラキラ検食」
もはや検食とは言い難い…これぞ贅の極み!
続いては、スペシャルで輝かしい「キラキラ検食」エピソードをご堪能ください。
「これぞご馳走!」という 眩しいメニューの数々
・当直室のデスク上に、夕食の握り寿司と茶碗蒸し(チェーン店ではない近くのお寿司屋の出前)が準備されていた。(30代無回答/フリーランス)
・前回よくして頂いたから、と、院長からのフルーツ盛り合わせが置いてあった。(60代女性/クリニック・診療所勤務)
・牛ステーキが出たときがあって、その時はかなり嬉しかった。(40代男性/一般病院勤務)
・ウナギが出た時は、テンションが上がりました。(40代男性/一般病院勤務)
・「栄養士が頑張っているな」と感じるビーフストロガノフは、美味しかった(50代男性/フリーランス)
・毎回刺身が出る病院がある。(30代男性/大学病院勤務)
ホテル並み!旅館並み!!
・温泉旅館並みの豪華食事。固形燃料で温める小鍋やステーキなど。
さらにはプチケーキにフルーツのデザート付き。冷蔵庫の飲料も10種類以上。
ただし600床以上の大病院で、コールが多いのが残念だった。(60代男性/一般病院勤務)
・夕食は暖炉のある患者さん用の食堂で、なんと元レストランのシェフが作るビュッフェ方式の食事。お味の方もレストランレベルで、思わず食べ過ぎてしまいました。(50代男性/一般病院勤務)
・ホテルのコース料理に近い料理を出してくれるところがありました。
お刺身など衛生管理に手間がかかりそうなものも出ていて、楽しみにしていました。(40代男性/一般病院勤務)
地元の美味を堪能!
・地方の病院は、その土地の海産物などが夕食で出てきて楽しみでした。(40代男性/クリニック・診療所勤務)
・北海道の病院は、飯も美味かった!(40代男性/一般病院勤務)
お好きなものをどうぞ!
・食事は出前注文(お店の指定はあり)で「なんでも頼んでOK」という病院には、毎月定期的にお世話になりました。(50代男性/一般病院勤務)
美味しいに決まってる!仕出し料理
・料亭の仕出し弁当。(50代男性/一般病院勤務)
・温泉地近くの病院で、近所の割烹料理屋からの仕出し料理が出る病院がありました。
挙句の果てに、ビール飲酒も可能でした。
流石にビールはいただきませんでしたが、食事は美味しかったです。(60代男性/クリニック・診療所勤務)
年末年始のお祝いメニュー
・25年以上前だが、大晦日から3泊程度の当直で、カニや刺身などのお膳がついたことがあった。(50代男性/一般病院勤務)
・大晦日の当直で、蕎麦や餅が出てきたときはうれしかったですね。(30代男性/一般病院勤務)
・正月などのイベントの時には、おせちなど工夫が施されていた。
「あけましておめでとうございます」という旗もあった。(30代男性/一般病院勤務)
ボリューム満点!
・病院食2人分と思う食事を提供される病院もあります。
いつ行っても毎回なので院長の方針と思い、有難くいただいています。当直に行こうという後押しになります。(60代男性/一般病院勤務)
・白米が お椀にではなく、炊飯器ごときた。(40代男性/一般病院勤務)
プラスαの 嬉しいおもてなし
・検食そのものも美味しいのでしょうが、さらに医師用にもう一品加えていただける病院があり、当直に行くのが楽しみでした。(40代男性/大学病院勤務)
・通常の検食に一品追加してくださる施設はよくありますが、お刺身盛り合わせがついていたのには驚きました。(50代男性/一般病院勤務)
・普通の検食に加えて、デザート等がついてくると嬉しかった。(20代男性/大学病院勤務)
・とある病院は、通常の検食+おかずが2品ほど多くて若い人は嬉しいのでしょう。
中年になるとややカロリーオーバーです。(50代男性/一般病院勤務)
言わずとも察してくれる心遣いで、リピート勤務してしまいそう
・肉類が苦手。行く都度 肉を残していたら、数回後からそれを察してくれたのか、肉以外の副食を出してくれた。
また、米飯のおかわりを栄養科に依頼し続けていたところ、その後食札に「肉禁、パンなし、ごはん大盛り」とこちらの言いにくい身勝手なメニューを記載してあり、たいへんありがたかった。(60代男性/一般病院勤務)
メニューもロケーションも、院長級?国王級?
院長室での当直で、朝昼夕すべて特別食だった。
検食ではなく、料理から器まですべて当直医専用。メインは魚と肉の2種類、デザートもありご飯はおひつで出た。
院長室なので装飾品もすごかった。
国王はこんなところで食事をしているのかもしれないと思いながら食べた。(50代男性/一般病院勤務)
求人選びで役立つ?美味しい検食を狙うなら、こんな病院!
・小児科系の病院は、ご飯が美味しかった。(30代女性/一般病院勤務)
・産婦人科病院のご飯は豪華。(30代女性/一般病院勤務)
・老人ホームが併設されている病院は、大抵美味しい。(30代男性/大学病院勤務)
・精神科病院と整形外科病院の検食は、美味しい事が多い。(50代男性/クリニック・診療所勤務)
まだまだあります!ドラマチックな当直バイトエピソード
最後に、当直室や検食以外についての当直エピソードも多数お寄せいただきましたので、一挙にご紹介します!
冷や汗…ちょっとホラー?な出来事
・精神病院は、書けないほど奇妙な出来事が起こりますね。(60代男性/フリーランス)
・必ず金縛りにあう病院があった。
当直室に窓はなく、四方をコンクリートの壁に囲まれ圧迫感があった。
どうしても金縛りにあって苦しむので、当直室入り口のドアを開けっぱなしにしていたり、医局のソファーでグネグネになりながら寝たりした。(50代男性/大学病院勤務)
・3室ある当直室で、使われるはずのない1室が使われていて怖かったです。(50代女性/クリニック・診療所勤務)
・築40年くらいの初めての病院がいかにも何かが出そうで、しかもシャワーが部屋から遠かったため、夜に肝試ししながらシャワーに行った経験あり。(30代男性/大学病院勤務)
・移転による閉院間近の精神科病院で当直したことがあり、当直室から主たる病棟までに出入り口に鉄格子のある大きな食堂をとおらなくてはならなかった。病棟までも、走っても何分もかかるほど広くて怖かった。
外を回って当直室に戻ろうと思ったら、外は墓地だった。
また、他の病棟間は屋根のみの屋外の通路で繋がっており、夜は本当に恐怖だった。(40代男性/大学病院勤務)
・仕事場の住所を勘違いしていて、朝8時30分勤務なのに車で3時間かかることに前日気づいたこと。(70代男性/一般病院勤務)
甘酸っぱい出来事も…!
・当直先の病院に彼が夜中に来てくれて、超おいしいサンドイッチとコーヒーを持って来てくれたことがあった。
若い頃の話。(60代女性/一般病院勤務)
・昔若かりし頃、看護師さんに口説かれてビックリした。(40代男性/一般病院勤務)
真剣に診療に向き合う医師たち
・当直先の入院患者をコンサル、確定診断して感謝された。
その時は研修医一年目だったが、その病院からは大学病院の私宛で診療依頼が届くようになり、先輩にひやかされた。(60代女性/クリニック・診療所勤務)
・腹部症状で 経過観察か他科受診か迷い、結局送って、その後の経過が気になっていた患者さんがいた。
スポット勤務であったので以後はその病院へ行く予定がなかったため、その患者さんの経過を病棟に問い合わせたら、素っ気無い対応をされてしまい、がっかりした。(50代男性/一般病院勤務)
・研修医1年目のとき。
医局からの派遣で近隣の一般病院に当直していた時、病棟急変で対応していたら「かかりつけの患者さんが今から救急車で来る」と連絡が。
病棟とはフロアも異なり、どう対応しようか考えていたところ、院長先生がおいでになられて「救急車の患者さんは、僕が対応します」とおっしゃっていただき、大変助かりました。
あとでスタッフの方に聞いた話では、この院長先生は普段はよく夜に飲みにいかれるそうですが、1年目の医師が当直に来る「木曜日の夜」は外出したり飲酒したりせず、隣接するご自宅で待機してくれていたそうです。(50代男性/一般病院勤務)
当直バイトに楽しみを見出す医師たち
・救急外来が0人という当直でも気が張っていて、休んだ気になりません。
しかし人によっては、家にいると子供が寄ってきたり、嫁から家事などの仕事を課せられたりするから「当直中の方がゆっくりできる」という先生もいるようです。(40代男性/その他勤務)
・ストレスなく過ごせる当直なら、気持ちもリフレッシュできるので楽しいです。(50代男性/一般病院勤務)
・看護師や他スタッフと仲良くなると、スタッフ目線で他の先生がどんな感じで仕事をしているのか教えてくれるので、参考になったりする。
勝手に外出してトラブルになる、掃除中の当直室にこんなものがあったなど、いろんな後日談が聞けるのもまた面白い。(30代男性/一般病院勤務)
気になるエピソードはありましたか?
常勤先以外の当直事情を、興味深くご覧いただいた先生も多いのではないでしょうか。
特に、他院で提供される「検食」は、当直バイトに入る先生だからこそ味わえる聖域…。
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◆調査概要「当直アルバイトについてのアンケート」
調査日:2022年7月26日
対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師
回答数:616