2022年3月に発表された第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケートによると、全国の小学生・中学生・高校生が将来なりたい職業のトップ10に「医師」がランクインしています。
なんと中学生の女子にいたっては、第3位となっています。
▼将来就きたい職業「医師」
小学生:男子6位、女子5位
高校生:男子6位、女子6位
中学生:男子11位(同率9位が2つあり)、女子3位
医師はドラマや映画などの題材とされることも多く、華やかなイメージがある職業です。
それに加えて、昨今のコロナ禍によって実際に医療現場で働く方々の姿を目にする機会が増え、人の命を救う医師の姿に憧れを持つ子どもたちが多かったのかもしれません。
しかし、現実には長時間労働や人の命と向き合うという職責から、体力的にも精神的にもハードな職業という一面もあります。
日々現場で働く医師たちは、どのようなやりがいや魅力を感じながら仕事に挑んでいるのでしょうか。
▼この記事で分かること▼
・医師という仕事のやりがい
・医師がやりがいと見失いそうになったときの対処法
・医師がやりがいを持てる働き方
医師は、どのようなときにやりがいを感じる?
医師は一般的に年収が高い職業とされています。
ただ、過酷な労働環境のなかで自身の体力や精神力を差し出しながら働くなかで、仕事量に対して割に合わないと感じている医師も少なからずいるようです。
それでも医師として働くことを続けていけるのは、他の職業では得られない大きなやりがいがあるからなのかもしれません。
医師が働くうえのでモチベーションに繋がるやりがいには、どのようなものがあるのでしょうか。
人の命に関わり、寄り添うことができる
医療は、人が生まれてから死ぬまでのあらゆる場面において必要不可欠なものです。
医療と患者さんの架け橋となって患者さんの人生に寄り添ったり、良い影響を与えたりできることは、医師にとって大きなやりがいであると考えられます。
身に付けた知見や技術で、誰かの役に立つことができる
医師は、獲得してきた知識やスキルで「病気やケガなどで困っている人を助けたい」という想いをもっています。
自らの治療によって、何らかの障がいや症状を抱えた患者さんの苦しみや痛み、病気の辛さを和らげることができたり、根治や回復の支援をしたりすることは、医師としての存在意義を感じる瞬間なのではないでしょうか。
患者さんやご家族からと感謝の言葉をかけられたことで、「頑張ろうと思える」という医師は多くいます。
自分が患者さんの回復に役立ったという達成感は、医師にとってハードワークによる疲れも吹き飛ばすほどの大きなモチベーションとなります。
知見やスキルを取得し、成長し続けることができる
日進月歩の医療現場において、医師は常に新しい知識や技術をキャッチアップすることが求められる職業です。
最新知識の習得やスキルの習熟に積極的に取り組んだ結果、自身の知見やスキルが向上し、より多くの患者さんの役に立つことができることは、医師にとって大きなやりがいに繋がります。
社会的な名声や高い収入を得られる
幅広い知識や医学的スキルを持ち、さらには優れた人間性も兼ね備えた人が就く職業とみなされている医師は、世間から特に大きな信頼を得ている職業のひとつです。
また、すべての職業のなかでも医師が受け取る報酬は特に高いとされています。
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」による職種別の平均年収では、医師は全職種において最も高い平均年収であることが分かります。
▼企業規模10人以上の事業所における、きまって支給する現金給与額
職業 | きまって支給する現金給与額(単位:万円) |
---|---|
医師 | 1050.4 |
航空機操縦士 | 804.3 |
大学教授(高専含む) | 655.7 |
法務従事者 | 642.8 |
その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 642.7 |
※厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに編集部作成
頻回な夜間対応が求められたり、長時間労働が常態化していたりなどで仕事とプライベートの境目がない働き方を余儀なくされている方も多い医師ですが、そのハードな働きに伴う年収の高さがモチベーションを維持しているという側面もあるのかもしれません。
医師がモチベーションを保てないときの対処法
仕事をする中で大きな壁に直面したり、挫折したりといったことは、誰しも経験があることなのではないでしょうか。
人の命や健康の問題に日々向き合いながら、精神的にも体力的にもハードな仕事とされる医師であれば、なおのことです。
医師は多くの場面でやりがいや魅力を感じられる職種です。
それでも、時には「医師を辞めたい」と感じたり、悩みを抱えながら働いていたりすることもあるようです。
医師が仕事を辞めたくなる理由
医師が仕事を辞めたいと思う理由は人それぞれではありますが、主には以下のような理由が挙げられます。
・長時間労働など過酷な労働環境に疲弊している
・上司や同僚医師、コメディカル、患者などとの人間関係に悩んでいる
・仕事とプライベートの両立が困難と感じる
・労働に対して、収入が見合っていない
2022年4月からは医師の働き方改革が開始される等、医師の労働環境についての社会的な注目度も高まっています。
なかでも、常態化している医師の長時間労働については、その実態把握と改善策の検討が急がれています。
しかしながら、依然として医師の業務時間は長い傾向にあります。
睡眠時間や休日を十分に確保できていない、頻回な当直やオンコール対応を求められる等のハードな職場があることも事実です。
過酷な労働環境で疲労困憊している中で、人の命や健康に向き合うという責任の重い業務をしなければならないという状況に不満を感じる医師も少なくないようです。
医師がモチベーションを保ちながら働くための対処法
医師が働くことへの意義を見失いそうになったときには、現状を変えられる方法を考えてみましょう。
フリーランスとして働く
常勤医師として医療機関などの組織に所属する働き方ではなく、常勤先を持たずに非常勤医師として勤務するという働き方も一つの方法です。
自分が働きたいタイミングで勤務日を調整できる、煩わしい人間関係から解放される等のメリットがあります。
一方で、社会保険に加入できなかったり収入が少なく不安定になったりする可能性があることも確認しておきましょう。
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開業する
自身が経営者となるため、勤務日はもちろん、患者の受け入れペースなどの業務量も自らコントロールすることができます。
ただ、開業医は診察などの医療行為のほかにも、スタッフの採用や教育、給与の支払い、集患のための広報活動など付随する業務が多岐に渡り、結果として勤務医時代よりも忙しくなってしまうというケースもあります。
転職する
医師が仕事を辞めたいと感じたときの対処法で一番のおすすめは、転職することです。
多くの自治体や医療機関では医師の不足や偏在の是正を図るべく、医師の招聘に力を入れていますし、どの診療科でも医師は需要が高い職種となっています。
今の勤務先よりも好待遇で迎えてくれる医療機関が見つかる可能性は、十二分にあるのではないでしょうか。
医師がやりがいを持てる働き方とは
自分にとってのやりがいは何?
医師にとってのやりがいやモチベーションは、その人の価値観によって変わってきます。
患者さんの治療をすることを生きがいとする人もいれば、自身の働きに相応する収入を得ることを望む人、研究で新しい治療法を発見することに生きがいを感じる人など、同じ医師という職種でも、人によってさまざまです。
やりがいを持って働きたいと考える医師は、自分がどのようなことに喜びを感じ、達成感を得るのかを整理することから始めてみましょう。
そのうえで、自分にとってのやりがいを実現できる働き方や勤務先を検討していくとよいでしょう。
もちろん医師も労働者ですので、やりがいだけではなく、労働に対してきちんと正当な対価を得られる職場で働くということも重要です。
今後のキャリアを考えるときには、やりがいと労働への対価という2つの視点をもって検討するのがおすすめです。
医師が転職を検討するときのカギは、情報収集
やりがいを持って働ける、労働に対して正当に評価してくれる働き方を探す場合、「転職」という選択肢をえらぶ医師は多くいます。
転職を検討するときには、できるだけ正確な情報を入手したうえで、適切な転職先かどうか判断しましょう。
転職先についての情報は、知人などの人脈を使って収集する、医療機関のホームページで探すといった方法もありますが、より効率的なのは医師向けの求人サイトで調べてみることです。
クリニックや病院などの医療機関では、詳しい業務内容や職場環境などのやりがいにも大きく関連してくるような情報を公開していないケースが大半です。
一方の医療系に強い転職サイトには詳細な情報が掲載されていますので、多忙な医師でもにスムーズに情報を集めることができます。
なお、「Dr.転職なび」では より詳細な情報を入手するために、求人情報を管理するための専任担当を全拠点に配置しています。
この求人担当は医療機関と密なコミュニケーションを実施することに注力しており、1日あたりの求人情報更新数は業界ナンバーワンの1,500件(※)を超えています。
また、医師のキャリアに精通し、医療経営士の資格をもつコンサルタントが専任で担当しますので、転職がはじめての医師の方でも安心して情報収集を始めていただくことができます。
人の命や健康を守る医師という職業は社会的なステータスも高く、年収も高いことで知られていますが、それ以上に大きなやりがいや魅力をもって日々の業務に取り組んでいる人がほとんどでしょう。
しかし、ハードな労働環境におかれている医師も多く、そのやりがいを見失ってしまうこともあるかもしれません。
そのような時は、自身がやりがいと感じるポイントを振り返ってみたり、見つめ直してみたりしてはいかがでしょうか。
医師が活躍できる場所は、決してひとつではありません。
病院やクリニックの勤務医以外にも、産業医として企業で勤務する、企業するなど、昨今は医師の働き方に関する選択肢は増えています。
幅広く情報を集めて、モチベーションを維持しながら活躍できる働き方を検討してみてはいかがでしょうか。