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入職後3か月がピーク?異動・転職後の医師がしんどいと感じる原因と2つの対処法

入職後3か月がピーク?異動・転職後の医師がしんどいと感じる原因と2つの対処法

医師は、他の職種と比べて異動や転職が多い職種といえます。

しかし新しい勤務先に入職した後に、「自分から望んで転職したのに、現状に満足できない」「しんどいと感じるのは、自分だけ?」と思ったことがある先生もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際に異動や転職後に医師がストレスを抱えてしまうケースは多く、今回「Dr.転職なび」が実施した調査でも、新生活に向けて不安や悩みを抱える医師は全体の8割を超えていることがわかりました。

本記事では、異動や転職後の医師がしんどいと感じてしまう理由やストレスを感じやすい時期、そして実際に転職後に「しんどい」「辞めてしまいたい」と感じたときの対処法もご紹介します。

新生活に向けて不安を感じている医師は多い

医局派遣による異動に限らず、自分から希望して転職をする場合であっても、新しい職場環境に不安を感じる人は少なくありません。

最初に、この春に異動や転職を予定している医師72名を対象に、新生活を前にした心境などを尋ねました。

8割以上の医師は、新生活に伴う不安や悩みを持っている

春から勤務先や働き方に変化が生じることによって「不安や悩みがある」と回答した医師は、全体の83.3%を占めています。

Q:ご勤務先や働き方の変化に伴って、不安や悩みはありますか?

Q:ご勤務先や働き方の変化に伴って、不安や悩みはありますか?

異動や転職をする医師が、新生活に不安を感じる理由

不安や悩みの内容を尋ねた質問では、人間関係や新しい仕事内容、ライフスタイルの変化などに対する不安・悩みを抱えている医師が多いことがわかりました。

Q:どのようなことに不安や悩みを感じますか?(いくつでも選択可)

Q:どのようなことに不安や悩みを感じますか?(いくつでも選択可)

上記の調査結果では、実に全体の8割にのぼる医師が入職前には「不安や悩みがあった」と答えており、「不安や悩みはなかった」と答えたのはわずか16.7%です。

つまり、新生活を前になんらかのストレスを感じることは多くの医師にとっては当然のことともいえるでしょう。

今まさに不安を感じている方は、「自分だけでなく、誰もが感じるものかもしれない」と、一度冷静になって自分の気持ちを見つめ直してみると良いかもしれません。

異動・転職後の医師がしんどいと感じやすい時期と原因

異動・転職後の医師がしんどいと感じやすい時期と原因

ここからは、過去に異動や転職の経験がある医師・355名へのアンケート結果をご紹介しながら、しんどいと感じやすい時期やストレスの原因をみていきます。

63.4%の医師は、異動や転職後に「つらい」と感じている

異動や転職といった新しい職場で働き始めるときには、心機一転頑張るはずがうまくいかないなど、理想と現実のギャップに疲れてしまうこともあるでしょう。

「環境が変わったのだから、仕方ない」と理解はしていても、新生活をスタートした後のつまずきに想定以上のストレスを感じてしまったご経験はありませんか?

今回の調査では、異動・転職経験がある医師の6割以上が「異動や転職後につらいと感じたことがある」と答えています。

Q:異動や転職後に、つらいと感じたことはありますか?

Q:異動や転職後に、つらいと感じたことはありますか?

異動・転職後の医師がストレスを感じやすいのは「入職後1か月未満」

なお、異動や転職後の医師がストレスを感じたのは、入職からどのくらい経過した後なのでしょうか。

今回の調査では、「1週間~1か月未満」(39.6%)が最多となっています。

「1週間未満」(20.9%)と合わせると6割程度の医師がつらいと感じたのは1か月未満であり、入職直後はとくにストレスを感じやすい時期といえそうです。

Q:つらいと感じたのは、異動や転職してどのくらい経ってからでしたか?

異動・転職後の医師が、つらさを感じてしまう原因

続いて、具体的なストレスの原因について尋ねた質問では、「仕事の進め方やルールがわからない」(回答数:93)が最多となりました。

Q:つらいと感じた理由は、どのようなことですか?(いくつでも選択可)

Q:つらいと感じた理由は、どのようなことですか?(いくつでも選択可)

業務内容や仕事の進め方は、医療機関によって異なるケースが大半です。

たとえ同じ診療科の医師求人であっても、前職とまったく同じ仕事内容や業務量、仕事の進め方であるケースはほぼないでしょう。

そのような状況下で「早く仕事を覚えなければいけない」と焦りを感じたり、「前職のやりかたの方が良かった」と前職と新しい職場の仕事の進め方を比べて違和感を覚えたりしてしまうケースもあるかもしれません。

◆仕事の進め方やルールがわからない・合わない

・基本的に前職と同じ仕事内容のはずだったが、病院独自のルールやそこで長くご勤務されている先生のマイルールが多く存在した
しかも、それを教えていただけなくて、慣れるまで苦労した。(40代/リハビリテーション科/勤務医(民間病院))

その他、「上級医との人間関係がうまくいかない」(回答数:67)や「仕事内容が合っていない」(回答数:60)といった、新しい環境での人間関係や仕事内容への戸惑いからしんどさを感じたという声も多く寄せられました。

◆上級医との人間関係がうまくいかない/看護師等コメディカルとの人間関係がうまくいかない

・職場の人間関係の問題が1番大きいと思う。(40代/小児科/勤務医(民間病院))

◆仕事内容が合っていない

・前任者が急に辞めたため昇進異動したが、キャリアの違いから仕事をさばききれなかった。レベルのあった職場で働くべきと思った。(50代/眼科/勤務医(健診施設や老健など))

まったく分野の違う転職をしたので、自分に向いているかどうかもわからず。とにかく慣れるのに時間がかかり、つらかった。(30代/一般内科/勤務医(健診施設や老健など))

◆思っていた勤務条件と違った

チーム制と言いながら、自分だけに休日の病棟管理を任された。(30代/腎臓内科/勤務医(私立の大学病院))

出ると聞いていた手当が、実際には出なかったことがあった。精神的にも金銭的にもつらかった。(30代/血液内科/勤務医(民間病院))

◆仕事についていけない/ライフスタイルの変化に適応できない

・後期研修で初期研修と異なる病院の循環器内科に進み、急に責任が大きくなったことや環境の変化、仕事の量の多さに順応できなかった
体力的にも精神的にも、しんどかった。(30代/循環器内科/勤務医(非常勤のみ、フリーランス))

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入職後「3か月」の壁を乗り超えるには?先輩医師に聞く、異動・転職後のストレス克服法

入職後「3か月」の壁を乗り超えるには?先輩医師に聞く、異動・転職後のストレス克服法

ここからは、過去に異動・転職後のストレスを経験した医師に聞いたストレス克服法をご紹介します。

すでに異動や転職をしてストレスを抱えている先生も、転職活動中などで転職後のストレスに不安を感じている先生も、ぜひ参考になさってください。

61.8%の医師は、異動・転職後のストレスは「解消した」

異動や転職した後につらいと感じたことがあると回答した医師に、その後の気持ちの変化について尋ねたところ、61.8%にのぼる医師が「つらい気持ちは解消した」と答えています。

Q:その後、つらい気持ちは解消しましたか?

Q:その後、つらい気持ちは解消しましたか?

約半数の医師は、異動・転職後「3か月未満」でしんどさが解消

加えてつらい気持ちが解消した時期を尋ねた質問では、異動や転職をしてから「1か月~3か月未満」(21.6%)のタイミングが最多でした。

Q:つらい気持ちが解消したのは、異動や転職をしてどのくらい経ってからでしたか?

Q:つらい気持ちが解消したのは、異動や転職をしてどのくらい経ってからでしたか?

全体的にみてみると、「入職後3か月」というタイミングを境に回復した医師が45.3%を占めています(「1週間未満」「1週間~1か月未満」「1か月~3か月未満」を合計)。

つまり、約半数の医師は入職後3か月程度で「つらい」という気持ちを解消できているといえます。

経験医師に聞く!異動・転職後のしんどい気持ちを克服する方法

では、具体的にはどのような方法でストレスを乗り越えたのでしょう。

今回の調査では、「職場のルールを把握し、それに沿って動いた」(回答数:67)が最も多く、次いで「仕事を覚え、成果を出した」(回答数:38)、「わからないことは積極的に質問をした」(回答数:33)、「周囲と積極的にコミュニケーションを取った」(回答数:30)という回答が多く寄せられました。

Q:どのような方法で解消しましたか?当てはまるものを教えてください。(いくつでも選択可)

Q:どのような方法で解消しましたか?当てはまるものを教えてください。(いくつでも選択可)

入職直後から当面は、新しい職場を知る「リサーチ期間」と考える

異動や転職して間もない時期は、新しい職場を理解するためのリサーチ期間として捉えることができます。

そのため、わからないことを積極的に質問するなど、周囲の医師やスタッフと積極的にコミュニケーションを取りながら情報収集を進めることがオススメです。

院内に存在する暗黙のルールや医局内の人間関係、業務上の承認を得るためのフローなどを把握しておくと、波風を立てずに行動しやすくなります。

新しい環境で活躍するなら「郷に入っては郷に従え」の姿勢も大切

ある程度新しい職場に関するリサーチができたら、新しい職場の仕事の進め方・ルールに応じた方法で仕事に臨んでみましょう。

その際は、もし不明点があれば周囲の方にすぐ相談するなど、「できるだけ早くルールを把握して、職場に溶け込みたい」という姿勢を示すことも重要なポイントです。

その上で仕事上の成果を上げることができれば、周囲から認められるようになり、さらに職場に馴染みやすくなるでしょう。

異動・転職後の医師が、「辞めたい」と感じたときの対処法

異動・転職後の医師が、「辞めたい」と感じたときの対処法

しかし、上述のような方法を試してもしんどさが解消しなかったり、なかなか状況が好転しなかったりするケースもあるでしょう。

最後に、異動・転職後のストレスがなかなか解消せず、「辞めたい」と感じたときの対処法を2つご紹介します。

半数以上の医師が、異動・転職後に「辞めたい」と感じたことがある

今回の調査では、異動や転職後に「辞めたい」と感じたことがある医師は56.8%と、全体の半数以上にのぼる結果となっています。

Q:異動や転職をした後に、「辞めたい」と感じたことはありますか?

Q:異動や転職をした後に、「辞めたい」と感じたことはありますか?

辞めたくなった原因で最も多いのは「仕事内容のミスマッチ」

異動や転職後に辞めたいと感じた理由では、「仕事内容が合っていない」(回答数:63)が最多となりました。

また僅差で「上級医との人間関係がうまくいかない」(回答数:61)という回答も、多くの医師から寄せられています。

Q:「辞めたい」と感じた理由は、どのようなことですか?(いくつでも選択可)

Q:「辞めたい」と感じた理由は、どのようなことですか?(いくつでも選択可)

・大学病院から市中病院へ異動した際、今までは看護師が対応していた業務も自分でやらざるを得ないことが増えた
勤務時間が延び土日出勤も多くなり、自分の時間を確保できなくなった。(30代/血液内科/勤務医(民間病院))

・医師としての診療だけでなく、部下の人間関係まで時間を割いて対応することに疲れたため。(50代/眼科/勤務医(健診施設や老健など))

仕事内容や業務量が増えても給与に反映されないことに対して不満があり、さらに良い職場があるなら転職したいと思った。(30代/一般内科/勤務医(健診施設や老健など))

自分の働き方の選択肢を、確認しておきませんか?

異動・転職後に辞めたくなったときの対処法・2選

それでは異動や転職後に「もう辞めたい」と感じたときには、どのように対処したら良いのでしょうか。
最後に、異動や転職後に大きなストレスを感じた場合の対処法を2つご紹介します。

対処法①信頼できる第三者に相談する

異動や転職後に大きなストレスを抱えてしまったとき、自分一人で悩んでしまうのは最も良くないことです。

「このまま働き続けることには耐えられない」「転職したばかりだけど、もう辞めてしまいたい」と感じたときには、信頼できる家族や友人などに愚痴を聞いてもらったり、しんどい気持ちを打ち明けたりするのも一つの方法です。

共感してくれる相手が一人いるだけでも、心理的なストレスは大きく軽減されるものです。

不安や悩み、困っていることを正直に打ち明けながら、少しずつ自分が働きやすい環境を整えていくことが、ストレス解消への大きな一歩に繋がります。

なお今回の調査では、異動や転職後の不安や悩みを相談できる相手がいると回答した医師は、全体の52.8%でした。

Q:異動や転職後の不安や悩みについて、相談相手はいますか?
(「異動や転職をしたことがない」の回答を除く)

Q:異動や転職後の不安や悩みについて、相談相手はいますか?
(「異動や転職をしたことがない」の回答を除く)

さらに、上記で「相談相手がいる」と回答した医師に具体的な相談相手を尋ねたところ、「家族」(回答数:123)が最も多くなりました。

次いで「友人」(回答数:53)、「院外の医師」(回答数:50)、「院内の同僚医師」(回答数:45)、「院内の上級医」(回答数:42)がそれぞれ僅差で続く結果でした。

Q:具体的に、どなたに相談しますか?(いくつでも選択可)

Q:具体的に、どなたに相談しますか?(いくつでも選択可)

また、同僚医師や上級医、コメディカルなど院内の方に相談している医師も一定数いることもわかります。

もし仕事内容や業務量、労働時間など現実的に改善が必要な問題を抱えている場合には、上席の医師や頼れそうな先輩医師など味方にすることは非常に有効といえます。

自分一人で問題を解決しようとすると、大きなプレッシャーに押し潰されてしまいかねません。

一方で、すでに院内で確固たる人間関係を構築している人や、業務改善に関する権限を持っている人と一緒に行動を起こすことによって、問題がスムーズに解決する可能性が高まるかもしれません。

対処法②辞めないまでも、転職活動を始めてみる

もう一つの対処法は、とりあえず転職活動を始めてみるという方法です。

冒頭の調査結果でもご紹介したように、異動や転職の直後は多くの医師が「つらい」「しんどい」といった感情を抱きやすく、とくにナーバスになりやすい時期です。

そのため、以前の勤務先では意識しなかったことや耐えられたことも、新しい環境では大きなストレスになってしまう可能性もあるでしょう。

そのようなときには、今の勤務先への転職を決めた目的を思い返してみたり、別の医療機関で働く自分を想像したりしてみることをオススメします。
そのための手段として、転職活動を始めてみることを検討してはいかがでしょうか。

転職活動をすることで、現在の職場の良いところを客観的に実感できる可能性があります。
その結果、ストレスを乗り越える覚悟が定まり、働く意欲が高まるきっかけになるかもしれません。

反対に、今の勤務先では目的が達成できないから、転職先を探した方が良いという決断に至り、本格的に転職活動を始めるケースもあるでしょう。

不満を持ちながら仕事をし続けるよりも、転職活動をすることによって自分の現在地を冷静に確認でき、今後の職場との関わり方を見つめ直す良い機会になるはずです。

注意:「転職後すぐ転職」には、デメリットもあることを知っておこう

ただし、転職活動をしたとしても、転職してから早期のタイミングで再度転職をすることはあまりオススメできません。

多くの医療機関では、「早期退職」はマイナス印象のある事実として捉えられます。
そのため、転職してすぐに別の医療機関へ転職すること自体が、次の転職活動にとって不利に働いてしまうケースが大半なのです。

異動や転職直後の転職活動は、新しい勤務先での覚悟を決めたり、気持ちを切り替えたりするためのものと捉えると良いでしょう。

転職エージェントのコンサルタントも上手に活用しよう

今後の動き方について迷いがある場合には、転職エージェントのコンサルタントに意見を聞いてみるのも一手です。

転職エージェントのコンサルタントは、医師転職のプロです。過去の転職事例も踏まえた上で、悩みに応じた適切なアドバイスを得られることも多くあるでしょう。

なお、私たち「Dr.転職なび」のコンサルタントは、全員が医療経営士の有資格者です。
医師転職市場の動向はもちろん、医療経営的な視点も踏まえたうえで、医療機関から求められる医師像をお伝えできる点が大きな強みです。

まとめ:異動・転職後のストレスは、一人で抱えすぎないことが重要

今回の調査では、医局派遣による異動だけでなく、自分の意思で選んだ転職先であっても、不安や悩み、「辞めたい」と感じてしまうほどのストレスを抱えてしまうことは珍しくないことがわかりました。

今まさに不安や悩みを感じている先生や、転職するタイミングについて迷っている先生は、私たち「Dr.転職なび」のコンサルタントを壁打ち相手としてぜひご活用ください。

「本当に転職するかわからない」という先生も、もちろん大歓迎です。

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◆調査概要「新生活の悩み・困りごとに関するアンケート」

調査日:2024年3月19日~3月26日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師

調査方法:webアンケート

有効回答数:367

Dr.転職なび編集部

ライター

Dr.転職なび編集部

医師の転職、キャリアアップ応援コンテンツを提供する「Dr.なび」編集部です。医師転職サービスを提供する株式会社エムステージが運営しています。

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