株式会社エムステージが会員医師を対象に実施した確定申告についてのアンケートの中には、「節税対策を知りたい」という声が多く寄せられました。
そこで今回は、そのお声にお応えし、税理士 服部誠先生にオススメの節税対策について教えていただきます。
医師へオススメの節税対策①:個人型確定拠出年金(iDeCo)
解説していただいた税理士の服部誠 先生
節税対策に関するご相談は、年々増加しています。
今回は、税理士としておすすめしたい節税対策を2つご紹介いたします。
まず1つ目は、個人型確定拠出年金です。iDeCo(イデコ)とも呼ばれますね。
iDeCo(イデコ)は、毎月自分で決めた額を積み立てながら、その掛け金を運用していくことで将来に向けた資産形成を進めていける私的年金制度で、原則60歳から年金を受け取ることができます。
私がiDeCo(イデコ)をお奨めする理由は、下記の3つの「税制優遇措置」があるからです。
1. 掛け金の全額所得控除
2. 運用益非課税で再投資
3. 受け取り時にも大きな控除
通常、金融商品などを運用すると、掛け金や運用益に税金がかかりますが、iDeCo(イデコ)は老後の資産形成を目的とした年金制度であるため、税制優遇措置が講じられ、掛け金は全額所得控除、運用益は非課税となっています。
また、受け取り時に大きな控除を受けられることも、iDeCo(イデコ)の大きな特徴です。長期的な運用になることから、特に若い方にオススメのiDeCo(イデコ)ですが、医師などの高所得者は節税効果も大きいため、50歳を超えていても検討する価値があります。先日も、私のクライアントである55歳医師が、iDeCo(イデコ)を始めました。運用期間がたった5年間であっても、十分な節税メリットがあると判断されたからです。
iDeCoは、日本在住の20歳以上60歳未満の方であれば、原則誰でも、月々5,000円から始めることができます。
医師へオススメの節税対策②:ふるさと納税
ふるさと納税のしくみ
もう一つオススメしたいのは、ふるさと納税です。
ふるさと納税制度とは、生まれ育ったふるさとに貢献できたり、自分の意思で応援したい自治体を選んだりできる制度として、2008年に創設されました。
ふるさと納税は、「納税」という言葉がついていますが、これは実際には、都道府県や市区町村への「寄附」なんです。
一般的に自治体に寄附をした場合には、確定申告を行うことで、その寄附金額の一部が、所得税及び住民税から控除されますが、ふるさと納税では、原則として自己負担額の2,000円を除いて、全額が控除の対象となります。
自分の生まれ故郷に限らず、どの自治体にでもふるさと納税を行うことができますので、ふるさと納税に対する考え方や、集まった寄附金の使い道などを調べた上で、応援したい自治体を選ぶのがいいでしょう。
各地域の特産物が返礼品として届くことも魅力の一つで、私の医師のクライアントでも、ふるさと納税をやっている方は非常に多いです。
所得税は累進課税なので、所得が多いほど、納める税金は多くなります。
今回紹介した2つの他にも、節税方法はありますので、自分に合った節税方法を組み合わせて活用してみてはいかがでしょうか。
※文章出典:「Dr.Lifeなび」より