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45%が「失敗」の経験あり…医師が転職で後悔しないための3つのポイント

45%が「失敗」の経験あり…医師が転職で後悔しないための3つのポイント

医師にとっての転職は、キャリア形成における大きな転機となります。そのため、転職を考えるときには「失敗したくない」と誰もが考えるのではないでしょうか。

しかしDr.転職なびが行った医師会員へのアンケートでは、転職経験のある医師の約45%が転職後に「失敗したと感じたことがある」と回答しています。

本記事では、医師352名から寄せられた失敗事例やコメントをご紹介しながら、医師の転職を成功に導くための3つのポイントを解説します。(匿名性を担保するため、コメントの一部を変更しています。)

こんなはずじゃなかった…よくある医師転職の失敗事例

上記でもご紹介したように今回のアンケートでは、転職をしたことのある医師の約45%は転職後に「失敗した」と感じた経験があると回答しています。具体的にどのような理由からなのでしょうか。

◆医師が転職後に「失敗した」と感じたこと(複数回答可)

◆医師が転職後に「失敗した」と感じたこと(複数回答可)

医師が転職後に失敗したと感じたことで特に多かったのは、以下の3つです。

第3位:事前に聞いていた年収・手当の金額ではなかった(18.1%)

・年俸が決定し働き始めた後に、病院側から「当直一晩3万でやって頂けませんか?」と依頼があり引き受けたが、その後「年俸額は、当直料込みの金額ですよね?」と言われた。(50代/一般病院に転職)

・オーナー理事長の鶴の一声で、毎年給与が下げられる。前年より2割下げられた翌年に退職した。(60代男性/一般病院に転職)

・「管理職候補」という募集に応募、院長として給料をもらっているが、表向きは個人経営のような税務処理をされてしまった。(50代/クリニック・診療所に転職)

第2位:事前に聞いていた仕事内容ではなかった(43%)

・入職時には言われていなかった仕事が、無償で次々と追加される。(50代/一般病院に転職)

・外来のコマ数を契約書に組み込んでいなかったため、入職後にどんどん増えていった。(30代/一般病院に転職)

・「当直は月数回」と聞いていたのに、実際には月10回以上している。(40代/一般病院に転職)

・入職前に「困った時はお互い様です」と言ってしまったために、他の医師が辞めるたびに自分の担当患者が増える。とうとう80人以上まで増えてしまったため、患者数を減らして欲しいと申し出たら「増えてもいいって言っただろ!」と院長に怒鳴られた。(50代/一般病院に転職)

・契約にない住民への講演会があったり、グループ内学会に強制的に出席させられたりする。(60代/一般病院に転職)

第1位:職場の人間関係・雰囲気が合わない(45%)

・上司からのパワハラがある。(40代/クリニック・診療所に転職)

・理事長が休憩時間や非番日にも業務連絡や呼び出し電話をかけて来たり、メールを送って来たりする。即レスしないと激怒して、すぐに「クビだ」という。(40代/一般病院に転職)

・男性医師からの、女性医師をおとしめるような発言が多い。また、男性医師はオンコールが少なく、昼間の業務負担も軽い。(40代/一般病院に転職)

・他科の越権行為が激しく、自分の患者がいつの間にか他科の医師の紹介で転院していたり、必要ないと判断した検査がいつの間にか他科の指示で行われていたりした。(70代/一般病院に転職)

・「病気を治すと患者が減るから、治すな」と言われ、驚愕した。(50代/クリニック・診療所に転職)

医師が転職で「失敗した」と感じる理由では、自身と職場の人間関係・雰囲気のギャップが最も多い結果となりました。

次いで多かったのは、勤務内容の相違です。「契約書を見返してみたら、詳しい条件が記載されていなかった」「入職前に詳しく確認しておけばと良かった」など、事前確認について後悔するコメントも散見されました。

医師が転職で失敗しないための3つのポイント

それでは、医師が転職で失敗しないためにはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。医師転職で気を付けたい3つのポイントをご紹介します。

ポイント1:求人を探す前に、優先順位を整理する

ポイント1:求人を探す前に、優先順位を整理する

転職を意識するとき、そのきっかけや理由は一つではないケースが大半です。

「いまの勤務先では、働きに合った年収を得ることができない」「長時間労働で、心身ともに疲れ果てた」「スキルアップできる環境ではない」など、様々な不満や問題が背景にあるのではないでしょうか。

しかし、いくつかある要素のすべてを同じレベルで問題と感じている、ということではないはず。転職をすることで、一番解決したい問題・叶えたいことは何なのか考えてみましょう。

・妥協できない点と、妥協できる点を決めておく。(40代/一般病院に転職)

その医療機関で実際に自分が働いた場合を想像し、1年後、2年後、3年後に希望どおりの自分になれるかどうかを考えてみるのもおすすめです。

条件の整理や優先順位決めでは、転職エージェントが役立つ

自分の軸が定まっていない状態で転職活動を始めてしまうと、最も解決したい問題を解決できない勤務先に入職してしまうことも。その結果、転職後に「失敗した」と感じてしまうといった事態にもなりかねません。

自分自身の希望を見つめ直す時には、転職エージェントのコンサルタントに話をすることも大きく役立ちます。

今回のアンケートでは 多くの医師が、転職エージェントを利用することは転職での失敗を防ぐために有用であり、特に「希望条件や優先順位の整理」において役立つと回答しています。

◆転職での「失敗」を防ぐために、転職エージェントを利用することは有用だと思いますか?

◆転職での「失敗」を防ぐために、転職エージェントを利用することは有用だと思いますか?

◆転職での「失敗」を防ぐために、転職エージェントを利用することはどのような点で有用だと思いますか?(複数選択可)

◆転職での「失敗」を防ぐために、転職エージェントを利用することはどのような点で有用だと思いますか?(複数選択可)

自分のこれまでのキャリアを振り返った上で今後を考えていくときに、第三者に話を聞いてもらうということは非常に効果的です。

人に話すことで自分の考えを整理することもできますし、プロの目から見た自分自身の市場価値についても知ることができます。

第三者だからこそ、話しやすい!

ポイント2:精度の高い情報を効率的に集めよう

ポイント2:精度の高い情報を効率的に集めよう

聞いていた仕事内容や給与が実際は違っていたなどの多くある失敗事例は、事前のリサーチが不足していたために起こってしまったという点で共通しています。

医師の転職活動は、在職しながら進めることが多くなっています。

忙しい勤務の合間で十分な下調べをしないまま話を進めてしまうと、入職後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔することにもなりかねません。

転職にあたっては、診療面はもちろん、医師の労働環境や人間関係、福利厚生など自分の働きやすさに繋がることについても、しっかりと把握しておきたいものです。

失敗経験のある医師に聞いた「入職前に確認しておきたいポイント」TOP3

これまでの転職で失敗したと感じたことがある医師に「もしもまた転職する機会があったら、事前に確認しておきたいこと」を尋ねたところ、以下のような結果となりました。

第3位:募集背景や前任者の退職理由、離職率(41.3%)

・前任者の退職理由があると参考になる。選択肢が複数ある場合は、その条件をもとに絞り込める。(50代/一般病院に転職)

・医師をはじめとする院内スタッフの離職率。(50代/クリニック・診療所に転職)

第2位:実際の給与額・手当額(56.3%)

・学会参加についての費用、年間有給休暇数、定期等通勤費、扶養手当、昇給条件など。(60代/クリニック・診療所に転職)

・退職金、交通費、住宅手当の支払いシステム。想定年収は給与で支給なのか、手当で支給なのか。(40代/一般病院に転職)

・時間外手当や出張、病欠の取り扱いなど。(50代/一般病院に転職)

第1位:実際の仕事内容(72.5%)

・業務開始から終了までの、大まかな流れを把握しておくことが大事。(40代/一般病院に転職)

・業務内容を細かくイメージできるくらいの情報を得てから行動すると良い。病院によって、求められるスキルは異なる。(50代/クリニック・診療所に転職)

・ここ数年はコロナ禍で県外移動が困難であったが、これからは可能ならば非常勤でおためし勤務してから、入職を決めた方がいいと思う。(40代/一般病院に転職)

精度の高い情報収集は、転職エージェントに任せると効率的

失敗しないためのポイントを押さえた情報収集は、医師専門の転職エージェントを利用すると効率的に進めることができます。

求人票などで一般に公開されていない内部の実情や経営状態、医師からの口コミなど多角的な情報を入手できますし、自分では直接聞きづらい詳細な条件確認や交渉もエージェントが代行してくれるので安心です。

・エージェントが間に入ることによって緊張感が生まれるため、求人元と求職者双方にとって不利にならない交渉が出来ると思う。(40代/一般病院に転職)

また、年収や仕事内容を重視するあまり、職場の人間関係や雰囲気を十分確認しないまま入職を決めてしまう医師も少なくありません。

上記でもご紹介した通り、医師が転職後に失敗したと感じる理由として「職場の人間関係・雰囲気が合わない」は最も多くの医師から挙げられており、医師の働きやすさに大きく影響する部分です。

・インターンシップのような実地見学はやっておいた方が良いと思う。加えて、看護師や師長さんの雰囲気を確認しておいた方がいい。(30代/一般病院に転職)

・勤務している医師からの情報は必須と考える。(60代/一般病院に転職)

・いま勤務している医師と、病院の外で会って話を聞くべき。飲み会などに誘ってみるといい。(50代/一般病院に転職)

入職後のミスマッチを防ぐために、病院見学をさせてもらう、実際に働いている医師と話をする機会を設けてもらうなど事前に職場の雰囲気を知ることができる情報も入手できるように、エージェントと相談してみるのもおすすめです。

ポイント3:雇用条件は明文化して、必ず書面で確認しよう

ポイント3:雇用条件は明文化して、必ず書面で確認しよう

医師の転職には、知人から紹介を受けるという方法もあります。

しかし知人であるがゆえの遠慮から詳しい条件確認や交渉をすることが難しかったり、条件が不明瞭なまま口約束で入職してしまったりする可能性も考えられます。

今回のアンケートでも、複数の医師が書面で雇用条件を確認することの重要さを訴えています。

これまでの転職で失敗したと感じたことがある医師に「また転職する機会があったら、事前に確認しておきたいこと」を尋ねた質問では、「雇用条件は明文化して、書類で残す」という回答が2番目に多くなっています。

・口約束で契約を進めるのは良くない。(40代/クリニック・診療所に転職)

・雇用条件の確認は、一番重要。(60代/クリニック・診療所に転職)

・職務内容はしっかりと詰めて、明文化しておくのが大事だと感じた。(40代/一般病院に転職)

なお、労働基準法第15条では、人を雇う際には労働条件を明示することが事業者側に義務付けられています。

医師と医療機関という当事者同士ではどうしても曖昧になってしまいがちな部分であっても、エージェントという第三者を介すことによって気兼ねなく、詳細まで確認できるのは安心ですね。

気持ち良く働き始められるよう、また長く働き続けられるように、内定を承諾する前に医師と医療機関の間での認識のズレをなくすことが大切です。

転職後の後悔を、入職前の事前確認で回避しよう

多くの医師が転職後に「失敗した」と感じてしまう事象は、事前の確認やリサーチを十分にすることで回避できる項目が大半となっています。

医師が後悔しない転職を実現するためには、入職前に自分自身がその医療機関で勤務する姿を具体的にイメージして、曖昧な点や不安な点をしっかりと潰し込んでおくことが重要です。

そんなときには、医師専用の転職エージェントを利用することも有用です。

・1人で転職活動するのではなく、エージェントの力を借りる方が良いと思う。(50代/一般病院に転職)

・エージェント活用は有効だが、それもエージェントの能力次第。複数人のエージェントから話を聞ききながらも、最終的なエージェントはやっぱり自分。(30代/クリニック・診療所に転職)

必要に応じて転職エージェントをうまく活用しながら、失敗のない転職を目指していきましょう。

◆調査概要「医師が転職で後悔したことについてのアンケート」

調査日:2022年10月11日~10月14日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師

調査方法:webアンケート

回答数:352

Dr.転職なび編集部

ライター

Dr.転職なび編集部

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