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医師が「円満に辞める」ための3つの注意点とは?退職時の流れや手続き、マナーも解説

医師が「円満に辞める」ための3つの注意点とは?退職時の流れや手続き、マナーも解説

忙しすぎる、人間関係が上手くいかない、望まない異動が多い、待遇に不満がある…
医師が現在の勤務先を「退職したい」と思う理由は様々ですが、もし転職することが決まったら退職に関する手続きはぜひ円滑に進めたいところです。

そこで今回は、退職の意向を伝えるタイミングから退職日当日までの流れや手続き、そして医師が円満退職をするために押さえておきたいポイントをご紹介します。

初めて転職をする先生や、退職時のトラブルを避けたい先生は是非ご参考ください。

医師の転職では、円満退職することが重要

「辞め方」が、今後の医師のキャリアに影響する可能性もある

どの業界や職種でもいえることですが、特に医師の場合は円満退職をすることが今後のキャリアにとって大きなポイントとなります。

なぜなら医療業界は非常に狭い世界とも言われているため、前職におけるトラブルなどの良くない噂が他の医療機関や医師などの間で広まりやすいことが考えられます。

「立つ鳥跡を濁さず」という言葉もありますが、特に医師の退職時には 引き際までの戦略をしっかりと練ったうえで慎重に手続きを進めることが求められます。

そして退職後も引き続き良好な関係を維持できるように、勤務先やお世話になった方々へ礼節を尽くす姿勢が大切です。

医師が退職をするときの流れや必要な手続きは?

医師が退職をするときの流れや必要な手続きは?

続いて、医師が退職をする際の基本的な流れをご紹介します。

①退職の意向を伝える

「退職する」という気持ちが固まったら、直属の上司や人事責任者に意向を伝えましょう

なお、この時に自分本位な辞意表明をしてしまうと、強い引き留めなどのトラブルに発展する可能性もあります。

繁忙期や年末年始はできるだけ避ける、次期の人員体制が決まるタイミングを配慮するなど、辞意を申し出るタイミングについても慎重に検討するよう心がけましょう。

▶医局を「辞めた」医師205名に聞いた!退職交渉の経験とポイントまとめてご紹介

②退職日を決める

退職の意向を伝えた後は、勤務先と相談して最終の勤務日を調整していきます。

その際は一方的に自分の希望を押し付ける姿勢ではなく、後任医師の確保や引継ぎ業務に要する時間や経営上の問題といった勤務先側の事情もくみ取りながら着地点を決めるようにしましょう。

退職日が決まったら、退職届の提出が必要かどうか、必要な場合は決まった書式があるか等も担当部署に確認しておくと安心です。

③引継ぎを行う

退職日が決まったら、患者様や担当業務の引継ぎに入ります。

Dr.転職なび」の調査によると、引継ぎを受ける側の医師が前任医師に最も期待していることは「客観的に誰が見ても理解できるカルテの記載」でした。

そのほか、引継ぎを行う際には「引継ぎサマリー」を用意しているという声や、カルテ以外にトラブルになりそうな内容をまとめて共有してもらえて助かったという声も寄せられていました。

▶医師348名に聞いた!引継ぎの「失敗事例」「好印象事例」をご紹介

忙しい日々の業務と並行して引継ぎの準備を進めていくことは大変ですが、丁寧で細やかな引継ぎを行うことで後任医師への業務移行がスムーズになり、ひいては患者様のためにもなります。

よって退職に向けた計画を立てる際は、この引継ぎ期間に余裕を持たせたスケジューリングがオススメです。

④退職の挨拶

これまでお世話になった方に向けて、可能な限り直接お礼を伝えましょう。

なお退職する際の挨拶は、最終勤務日だけに行うものではありません。
退職日は忙しいことに加えて、医療現場は交代制で勤務している方が多く、当日会うことができないというケースも考えられます。
事前に勤務表などを確認したうえで、退職の少し前から計画的に行うようにすると良いでしょう。

患者様への挨拶については、自身の判断で行うという医師が多いようです。

上記でご紹介した医師へのアンケート調査では「異動や退職に関する患者様への説明は、前任医師から行って欲しい」という要望が多く挙がっていますので、状況に応じて患者様への挨拶についても前向きに検討してみると良いかもしれません。

患者様としても、突然担当医師が変わってしまうよりも、前任医師から事前に聞いておくことで安心して継続加療できるという方も多いでしょう。

⑤退職当日

退職当日は業務で使用してきたものを返却して、必要なものを受け取りましょう。
勤務先に返却するものと、受け取るものは以下の通りです。

◆退職時に返却するもの
・健康保険被健康保険者証
・社員証やIDカード、名刺、名札
・白衣(貸与されていた場合)
・ロッカーなどの鍵
・業務で使用していた通信機器(パソコンや携帯、PHSなど)
・そのほか業務用の書類や備品

◆退職時に受け取るもの
・雇用保険被保険者証
・源泉徴収票
・年金手帳(勤務先が保管していた場合)
・退職証明書
・離職票(次の勤務先が決まっている場合は不要。次の勤務先が未定の場合は、退職日までに勤務先に発行を依頼。退職から10日~14日程度で郵送されます。)

円満に辞める!退職トラブルを回避するための3つのポイント

円満に辞める!退職トラブルを回避するための3つのポイント

最後に、医師が円満退職をするために注意したいポイントを3つご紹介します。

退職トラブルを回避するためのポイント①退職を申し出る「タイミング」

医師が円満に退職するためには、「退職意向をいつ伝えるのか」が非常に重要になってきます。

民法上は2週間前に辞意を表明すれば退職できるとされていますが、患者様の命や健康を預かるという責務のある医師の場合そうはいかないケースが大半です。

円満退職を目指すのであれば、医局に所属していない場合は退職希望日の半年前から最低でも3か月前
医局に所属している場合にはより慎重かつ入念に、1年から半年前くらいを目安に計画を立てると良いでしょう。

なお医局人事では、一般的に次年度の体制が決まるのは秋が多くなっています。
次期の人事が固まる前の早いタイミングで退局意向を伝えることができれば、医局側も人員の調整がしやすくなります。

そのため強い引き留めに合うことなく、スムーズに退職交渉を進めることができる可能性を高めることにもつながるでしょう。

退職トラブルを回避するためのポイント②退職を申し出る「相手」

退職意向を「誰に最初に伝えるか」という点も、医師の円満退職において大切なポイントです。
一般的には、以下のようにまずは直属の上司に意向を伝えるというケースが多いでしょう。

例)医局に所属している場合の 退職意向を伝える相手と順番
1:診療部長、チームのリーダー医師など直属の上司
2:医局長
3:教授

なお、上司より先に同僚に退職の話をすることはできる限り避けるようにしましょう。
思わぬ形で上司に退職の話が伝わってしまった時には、大きく心証が損なわれてしまう可能性もあります。

円満退職を目指す場合には、退職に関する話をする相手にも細心の注意を払うようにしましょう。

退職トラブル回避のポイント③退職理由を「どのように説明するか」

医師の円満退職で注意すべきポイントの3つめは、「どのような理由で退職したいと伝えるか」という点です。

実際の退職理由がネガティブなものであったとしても、できるだけ前向きな理由や勤務先の努力ではどうにもできない事情を理由として伝えると良いでしょう。

具体的には、実家に戻るなどの「家庭の事情」や「家族の介護」、「開業する」「転科する」といった自分自身の理由である場合は、比較的勤務先から受け入れられやすい傾向があります。

逆に、「人間関係が上手くいかない」「年収が低い」「休みが取れない」といった勤務先に関するネガティブな内容を退職理由として率直に伝えてしまうと、強く慰留されてしまったり、退職までの期間に仕事がやりづらくなってしまったりする可能性があります。

また、医師の世界は非常に狭いのが特徴です。
ネガティブな理由で退職したことが思わぬところから次の勤務先まで広まってしまい、今後のキャリアや人間関係に良くない影響を及ぼしてしまうことも考えられます。

円満退職を目指す場合は、全てを正直に話すことが得策となる訳ではありません。
本音と建前を分け、勤務先に受け入れられやすい表現や内容を検討すると良いでしょう。

円滑に退職を進めるために、転職エージェントを活用しよう

円滑に退職を進めるために、転職エージェントを活用しよう

転職活動を始めるのは、「退職を申し出る前」がオススメ

「今の勤務先を辞めたい」という思いが固まったものの、次の勤務先が決まっていない状態で退職意向を申し出てしまうのは不安という方も多いのではないでしょうか。

また、退職日が決まっていることで焦りが出てしまい、自分にとって最適と思える選択ができないこともあるかもしれません。

そのため、医師の転職活動では「次の勤務先を検討しながら、退職に向けた準備を進めておく」という流れがオススメです。
特に初めての転職や大学医局からの転職、条件にこだわって転職先を探したいという場合には尚更です。

「退職日」という期限を気にすることなく退職意向を申し出る時期や伝え方を見極めることもできますし、現勤務先から収入を確保しながら納得のいく転職先を探すことができる点も大きな安心感につながるでしょう。

▶転職活動を早めに始めるメリット・デメリットを現役コンサルタントが解説

退職の「段取り」が不安なときは、経験豊富なエージェントの活用がオススメ

円満退職に向けた辞意表明や退職に伴う手続きは、医師の転職における大きな山場といえるでしょう。
この山場をしっかりと乗り越えるためには、状況に応じて綿密な計画を立てることが重要です。

退職したいけれど、まず何から始めれば良いのか分からない。
転職活動と並行した退職交渉って、どのように進めたら良いの?

このようなお悩み・不安をお持ちの先生は、転職エージェントを上手に活用してみましょう。

転職エージェントには様々なものがありますが、なかでも医師の転職・キャリアサポートに特化して長年の実績がある「Dr.転職なび」がオススメです。

Dr.転職なびでは、医療経営士資格を取得したハイスキルのコンサルタントが全国の拠点に在籍。

先生方お一人おひとりの専任コンサルタントとしてタスクの整理や優先順位付け、転職活動全体や退職交渉に向けたスケジュール立案など、先生がスムーズに新しい職場で働き始めることができるようお手伝いをさせていただきます。
ご勤務先への退職申し出や退職に向けたスケジュールなどについてお困りのことがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

転職先が決まったからといって退職までの手続きや勤務先への礼節を怠ってしまうと、思わぬトラブルを招いてしまう可能性があります。

医師が円満退職をするためには、勤務先や後任医師への配慮を行いながら慎重に手続きを進め、最後まで誠意を持って仕事や引き継ぎを行っていくことが大切です。

退職予定のある先生や転職を検討されている先生は、ぜひ上記のポイントをご参考にしていただければ幸いです。

◆調査概要「業務や患者様の引継ぎに関するエピソード」
調査日:2023年1月24日~1月31日
対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師
調査方法:webアンケート
有効回答数:348

Dr.転職なび編集部

ライター

Dr.転職なび編集部

医師の転職、キャリアアップ応援コンテンツを提供する「Dr.なび」編集部です。医師転職サービスを提供する株式会社エムステージが運営しています。

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