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【女医115名に調査!後編】アンケートから紐解く!女性医師が「働きやすい病院」の条件とは?

【女医115名に調査!後編】アンケートから紐解く!女性医師が「働きやすい病院」の条件とは?

女性の活躍が推進される現在の日本においては、積極的に女性の健康課題に取り組む企業が増えています。

前編記事では、女性医師が抱えるさまざまな不調や、周囲や勤務先からの支援状況についてお伝えしました。

後編となる本稿では、女性医師115名から寄せられた回答やコメントをもとに、女性医師が「働きやすい」と感じる労働環境について掘り下げて解説します。

多くの女性医師が、強い責任感と使命感を持って職務に臨んでいる

女性医師の88.7%は「自身の体調より、医師としての職務を優先したい」と考えている

Q:勤務先で不調に陥ってしまったときに、「自身の体調不良によって、仕事に支障をきたしたり影響があったりしてはならない」と思いますか?

Q:勤務先で不調に陥ってしまったときに、「自身の体調不良によって、仕事に支障をきたしたり影響があったりしてはならない」と思いますか?

上記のグラフからも分かるように、「自身の体調不良によって、仕事に支障をきたしたり影響があったりしてはならない」と考える医師が、全体の88.7%を占めています(「強くそう思う」「そう思う」の回答を合計)。

「自身の健康を犠牲にする部分があったとしても、仕事を休むことはしたくない」と考えている女性医師が多いようです。

しかし、医師に限らず全ての働く人にとって、自身の「健康上の課題」は無視できるものではありません。

健康上の課題に対して正しく対処できない場合には、職場で迷惑がかかってしまうだけなく、「収入が得られなくなってしまう」等プライベート面でも深刻な影響が及ぶリスクも高まります

女性医師の健康課題は、退職や転職に繋がる?キャリアへの影響は?

女性医師の健康課題は、退職や転職に繋がる?キャリアへの影響は

では実際に、「健康上の課題」が退職・転職の経験や検討に繋がるケースはどのくらいあるのでしょうか。

4人に1人以上の女性医師が、「健康上の理由」から退職や転職をしたことがある

Q:ご自身の健康状態を理由に、退職や転職をしたことはありますか?

Q:ご自身の健康状態を理由に、退職や転職をしたことはありますか?

全体的にみてみると、53%と過半数の医師が「退職・転職をしようと思ったことはない」と回答しています。

一方で、健康上の課題を理由に「退職・転職を検討した」または「退職・転職した」医師は全体の47%を占め、そのうち実際に退職や転職をした医師は27%にのぼっています。

今回の調査で寄せられた、実際に女性医師が経験したエピソードもご紹介します。

▼「女性特有の不調や症状」による退職・転職

・妊娠中、重いつわりと切迫流産に。出産後は転職しようと考えている。(退職・転職をしようと思ったことがある/30代/皮膚科)

産後で疲れやすくなったため、外来患者の多いクリニックでの勤務を辞め、対応患者数の少ない医療機関に再就職した。(退職・転職をしたことがある/30代/放射線科)

流産をしてしまい、非常にストレスフルに。情緒不安定になった為、休職しました。
ただ専門医を取りたかったので、無事妊娠・出産を経て、精神的に安定したのちに復帰。我慢して、専門医を取得した後に辞めました。(退職・転職をしたことがある/30代/耳鼻いんこう科)

不妊治療が高度なものになったタイミングで「これ以上外来に穴を開けるわけにはいかない」と考え、常勤医としてがんばり続けることを諦めた。(退職・転職をしたことがある/30代/一般内科)

▼「精神的な不調」による退職・転職

ストレスが原因の腹痛で休んだことで 上司から退職を促す言葉をかけられ、転職を決意した。(退職・転職をしたことがある/20代/美容皮膚科)

気分障害が増悪し、どうにもならなくなり大学病院を退局した。(退職・転職をしたことがある/30代/美容皮膚科)

▼「持病」による退職・転職

ガンになり、転科した。(退職・転職をしたことがある/50代/健診・ドック)

▼「長時間労働、過重労働」による退職・転職

勤務時間が長時間になり、心身ともに疲労。また妊活等も視野に入れたかったため、転職を検討していた。(退職・転職をしようと思ったことがある/30代/内分泌科)

・爆発事故に遭った患者様へ10人連続で心臓マッサージを行った結果、腰痛になり入院。
その後も腰痛で救急ができなくなってしまったので、転科した。(退職・転職をしたことがある/60代/健診・ドック)

▼「当直勤務の負担」による退職・転職

更年期の時期に当直回数が増え、対応できなくなったことが退職理由の一つになった。(退職・転職をしたことがある/50代/腎臓内科)

・体調不良のため、当直勤務をやめた。(退職・転職をしたことがある/40代/産婦人科)

すべての職種の中でも特に過酷な労働環境に置かれることが少なくないと言われるのが、医師という職業です。

加えて女性医師の場合は 女性特有の不調・症状に悩まされることも多く、これらの要素が積み重なると、就労上の大きな負担になります。

その結果「働きづらさ」を感じた女性医師は、退職や転職に向けて検討を行ったり、実際に転職したりといった行動に出ているようです。

冒頭の質問では、約9割の女性医師が「自身の健康を犠牲にする部分があったとしても、仕事を休むことはしたくない」というマインドで職務に臨んでいることをご紹介しました。

しかし、医師自身の心身の健康も、決して軽視できるものではないはずです。

先生が今感じている「働きづらさ」を、私たちお聞かせください。

女性医師に聞く!「女性医師が働きやすい職場」の条件とは?

女性医師に聞く!「女性医師が働きやすい職場」の条件とは?

続いて「自分の勤務先もこうあって欲しい」と女性医師が感じる、働きやすい医療機関の特徴を聞きました。

女性医師が求めているのは、「柔軟な勤務時間」や「複数主治医制」などの柔軟な選択肢

Q:女性医師が「働きやすい」と感じる医療機関の特徴として、当てはまるものを教えてください。(複数回答可)

Q:女性医師が「働きやすい」と感じる医療機関の特徴として、当てはまるものを教えてください。(複数回答可)

最も多くの医師から挙げられたのは、育児や介護などの家庭の事情との両立がしやすい「短時間やフレックス勤務ができる」(回答数:74)です。

次いで、医師に一人あたりの負担軽減が期待でき、不調の場合にはお互いにカバーし合える体制が整備された「複数主治医制を採用している」(回答数:70)、そして「週4日勤務など、勤務日数の相談ができる」(回答数:69)という声も多く挙がりました。

女性医師は、出産や育児などのライフイベントが働き方に影響するケースも少なくありません。

よって短時間やフレックス勤務、週4日勤務といった「柔軟な勤務時間」や、複数主治医制や当直・オンコール免除など「業務負担の軽減」が許容される制度や風潮を希望し、仕事とプライベートの両立が叶いやすい環境を求める医師が多い傾向があるようです。

先生が「働きやすい」と感じる条件が揃う医療機関をご紹介!

女性医師が実際に救われた支援や制度と、今後期待すること

最後に、実際に女性医師がご経験された「こんな女性医師に対する支援があって助かった」というエピソードや、「このような支援を整備・充実させて欲しい」というご意見をご紹介します。

こんな支援があって助かった!女性医師が経験した勤務先からのサポート

▼業務負担や勤務時間に対する配慮がある

短時間勤務、フレックス勤務があって助かりました。(50代/病理診断科)

当直免除は、非常にありがたいです。(30代/一般内科)

▼育児に対する配慮がある

子供同伴で出勤できる。(40代/産婦人科)

・育休中に折々育児の状況や体調など確認してくださり、10ヶ月の育休明けの復職が順調にできて助かりました。
子どもの付き添い入院の際にも代務医師を手配していただき、助けられました。(40代/呼吸器内科)

▼上司の理解があった

出勤途中で切迫流産しかけた時、上司が出産経験女医達だったので「しっかり休め」と、その日にすぐに退勤させてくれたこと。
その後安静を指示された際にも、「大丈夫。しっかり休め。」と言ってくれた。(50代/眼科)

▼相談先があった

相談窓口があり、捌け口になってくれた事は有り難かったです。(30代/耳鼻いんこう科)

▼その他

女性専用のトイレやロッカーをご用意頂けることはありがたい。(50代/一般内科)

もっと、こんな制度や設備を充実させて欲しい!女性医師への支援に関する意見

▼複数主治医制の導入

・体調不良の時に休めるよう、複数の医師で診療する体制が整っていたら嬉しいです。(30代/皮膚科)

・女性医師に限ったことではないですが、主治医制でいつも拘束状態になっている現状を打破すべきと考えます。(40代/一般内科)

▼医師体制の整備

・融通のきく勤務体制。休みやすいように、人員に余裕のある職場。(40代/産婦人科)

・子育て女性だけが優遇されると結局不満やひずみができるので、男性や独身女性もゆとりをもって勤務できる体制が重要。(50代/産業医)

▼育児への理解・補助

24時間保育や病児保育が充実していれば、男性医師も助かると思われます。(50代/病理診断科)

・以前の勤務先に院内保育がありましたが、20時までを預かってもらえるため、その時間まで子供にご飯を食べさせずに待たせて働くことがモデルになっていました。
降園後も帰宅せず職場に連れてきて、お菓子を食べさせていたりする先輩も。
院内保育も、変なプレッシャーがかからないと良いと思います。(30代/一般内科)

非常勤でも、託児所の利用ができるようにしてほしい。(30代/精神科)

・子どもがいる女性医師の当直の免除や夕方や早朝のカンファ出席の免除や、子どもの発熱などでお迎えに呼ばれても行けない場合などにベビーシッターサービスの支援などあると、働きやすいと思います。(40代/呼吸器内科)

・育休から復職して、搾乳できる部屋や冷凍庫があると嬉しいです。(30代/呼吸器内科)

・出産後の復帰時期について。
子供は一人一人精神発達度合いが違うので、年齢で単純に判断されて「もう復帰可能でしょ?」等と言われてしまうのは辛い。(50代/眼科)

▼仮眠スペースを設ける

女性医師の仮眠スペースがあると、「不調になっても横になれる」と言う安心感があるので、不調の際の出勤の緊張感が和らぐように思う。(50代/一般内科)

▼セキュリティ対策

患者からのハラスメントもあり、暴力を受けそうになったことがある。
緊急時の対応を、事前に連絡してほしい。(60代/一般内科)

以上、女性医師が「働きやすい」と感じる労働環境についてご紹介しました。
「あるある」と、思わず共感してしまうエピソード等はありましたか?

前編記事では、医療機関による女性の健康課題への取り組み整備はまだ発展途上であるという状況をお伝えしましたが、2024年4月から始まる「医師の働き方改革」に向けて、医師の労働実態調査に乗り出している医療機関も多くなっています。

医師の働き方に注目が高まっていることを機に、女性医師の健康課題に真摯に向き合い、生き生きと健康に働くための環境づくりを進める医療機関が今後さらに増えることが望まれます。

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調査概要「女性医師の健康・働きやすさに関するアンケート」

調査日:2023年3月7日~3月14日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師(女性)

調査方法:webアンケート

有効回答数:115

Dr.転職なび編集部

ライター

Dr.転職なび編集部

医師の転職、キャリアアップ応援コンテンツを提供する「Dr.なび」編集部です。医師転職サービスを提供する株式会社エムステージが運営しています。

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