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医療機関・医師それぞれが知っておきたい「宿日直許可」のルール

宿日直については医療法に「医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない」と規定されています。

また、宿日直中の働き方については労働基準法(以下、「労基法」という。)にてルールが定められており、許可を取得する必要もあるのです。

本記事では医療機関における、労基法上の宿日直ルールと申請方法について紹介しています。

病院で宿日直が許可されるための主な3つのルール

医療機関における宿日直許可のルール

宿日直が許可される基本的な条件は、「通常殆ど業務が発生せず、夜間に十分な睡眠が取り得る」場合です。また、「勤務の時間に関する規定」や「一人あたりの宿日直を、宿直は週1回、日直は月1回に収める」等の条件があります。

つまり、医療機関が宿日直許可を得るためには、まず労基法上の主なルールをクリアする必要があるのです。

ルールの1つ目が、宿日直の大前提となる「常態として、ほとんど労働をする必要のないこと」というもの。

そして、2つ目のルールは、「勤務時間・回数に関する注意点」、3つ目が「宿日直手当」ですので、ひとつずつ確認しておきましょう。

宿日直許可のルール

宿日直が許可となるルールその1~勤務の実態~

一つ目のルール「常態として、ほとんど労働をする必要のないこと」から見ていきます。

これはつまり、“仕事をしていないといえる状態”であれば宿日直を許可しますというもので、「見回りや緊急時の電話番くらいなら良いけれど、通常の仕事をするのはNG」と言い換えることもできます。

医療機関においては、いわゆる「寝当直」がこれに該当すると考えられます。

※一般的な企業では、次のような内容が宿日直中の働き方の対象とされています。

  • 定時的な巡視
  • 緊急の電話、文書の受け取り/応対
  • 非常事態に備えての待機

医療機関にて宿日直が許可される働き方

では、医療機関においてはどのような働き方が宿日直中として許可されるのでしょうか。

厚生労働省の通達によれば、具体的に次のような内容が挙げられています。

①:通常の勤務時間の拘束から完全に開放された後のものである

②:宿日直中に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、特殊の措置を必要としない軽度または短時間の業務に限る

③:①②以外に、一般の宿日直許可の条件を満たしていること

出典:「医師、看護師等の宿日直許可基準について」基発0701第8号

①~③それぞれの詳細については、以下を確認しておきましょう。

①:通常の勤務時間の拘束から完全に開放された後のものである

通常の勤務時間が終了した後も、それまでと同様の業務を行っているような場合には「拘束から完全に開放された」とはいえません。

よって、その間の業務は宿日直の許可の対象とはなりません。

②:宿日直中に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、特殊の措置を必要としない軽度または短時間の業務に限る

これについては、例として次のようなものが挙げられます。

  • 少数の要注意患者の状態変動に対応するべく、医師が問診や診察等(軽度の処置を含む)を行うことや、看護師に対して指示を出す、確認を行うこと。
  • 休日や夜間(非輪番日など)において、外来患者の来院が想定されない場合では、少数かつ軽症の外来患者・かかりつけ患者の状態変動に対応すること
  • 看護職員が、外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間(非輪番日など)において、少数かつ軽症の外来患者・かかりつけ患者の状態変動に対応するため、問診を行う、医師に報告を行うこと
  • 看護職員が、病室の提示巡回、患者の状態の変動について医師へ報告すること。少数の要注意患者の定時検脈や検温を行うこと

③:①②以外に、一般の宿日直許可の条件を満たしていること

一般の宿日直許可というのは、労基法におけるルールのことです。引き続き解説していきます。

宿日直が許可となるルールその2~勤務の時間・回数~

労基法における宿日直、2つ目のルールは、「勤務時間と回数」に関するものです。

原則的に、通常の業務と密着した時間帯に宿日直を行うことは許可されていません

よって、始業・終業時刻に密着した時間帯に業務(電話を受ける・盗難や火災防止を行う等含む)を行うようなケースは認められていないのです。

例を挙げると、宿日直の勤務を午前9時まで行って、同時刻からそのまま通常の仕事をスタートする、という場合はNGといえます。

宿日直の前提は「常態として、ほとんど労働をする必要のないこと」と前述しました。

ですので、宿日直ではあまり仕事らしいことをしていない状態だから、勤務時間としてカウントされないのでは? と考える方もいると思います。

しかし宿日直であっても、仕事は仕事。通常の勤務と密着して働くことはできません。

また、宿直中にいつもと同じ内容の仕事をしていても、十分に睡眠がとれるものであれば宿日直の許可は取り消されません。

なお、回数の制限については「一人あたりの宿日直を、宿直は週1回、日直は月1回に収める」等とった条件がありますので、こちらにも注意が必要となります。

これらのルールをクリアすることで、労働時間規制の適用除外(労働時間として取り扱われない)となるのです。

宿日直中の回数限度「宿直は週1回・日直は月1回まで」

宿直勤務は週に1回まで。日直勤務に関しては月に1回が限度とされています。

ただし、次の要件を満たすことで(宿日直業務の実態に応じ)、これらの限度回数を超えて許可される場合もあります。

1:事業場に勤務する18歳以上の者で、法律上宿日直勤務を行うことが出来る方が宿日直勤務をした場合でも人数が不足

2:勤務の労働密度が薄い場合

宿日直が許可となるルールその3~「宿日直手当」~

宿日直の手当には最低額が定められています。

最低額については「宿日直手当の最低額は、当該事業場において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている賃金の一人1日平均額の1/3以上」となっているため注意が必要です。

なお宿日直中、仮に通常通りの仕事(医師による応急患者の診察や患者の死亡、出産等)を行った場合、医療機関は時間外労働の割増賃金を支払う必要があるため注意しましょう。

そもそも、いつも宿日直中に業務が発生するような場合では、宿日直の許可がされないルールです。

小規模の病院や診療所であれば、医師等が住み込みで働いているケースも考えられます。こうした場合では宿日直として扱う必要はありません。

しかし、手当については同様に、もし宿日直中に通常通りの仕事をしたのであれば、その分の割増賃金を支払うことが定められています。

宿日直の許可に関するルールについてまとめてみました。

宿日直で働く医師の方は、働き方のルールについて確認しておくことが大切です。

また、医療機関が宿日直許可の申請を行う場合には、厚労省等のホームページにて手引きが紹介されていますので、あわせて確認しておきましょう。

「今後、当直アルバイトができなくなってしまうの…?」と、宿日直許可によるアルバイトへの影響などに不安を感じている医師の方も多いのではないでしょうか。

医師のアルバイトに精通した専任コンサルタントが在籍しているDr.アルなびなら、宿日直許可のルールを踏まえたうえで、先生のご希望に合う募集をご案内いたします。

参考:「医師、看護師等の宿日直許可基準について」基発0701第8号

参考:「医師の宿日直許可基準・研鑚に係る労働時間に関する通達」

Dr.転職なび編集部

ライター

Dr.転職なび編集部

医師の転職、キャリアアップ応援コンテンツを提供する「Dr.なび」編集部です。医師転職サービスを提供する株式会社エムステージが運営しています。

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