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年代別に解説!医師キャリアプランの立て方【20代・30代・40代・50代】

年代別に解説!医師キャリアプランの立て方【20代・30代・40代・50代】

医師として働くうえで「キャリアプランを持つことは大切」と言われますが、その理由や具体的なプランの立て方が分からないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では20代から50代の年代ごとに、キャリアステージの特徴やキャリアプランの立て方をご紹介します。

すでにキャリアプランを考えている方も、まだ将来像が定まっていない方も、ぜひ参考にしてみてください。

医師が年代ごとにキャリアプランを立てる重要性と理由

キャリアプランとは、思い描く将来像を実現するための中長期的な行動計画のことです。

医師は「生涯現役の職業」と言われ、社会的ニーズが非常に高い職種であるため、自身で積極的にキャリアプランを立てる必要性を感じないという方も少なくないかもしれません。

また日々の業務が多忙なため、自身の将来について落ち着いて考えたり、将来に向けて情報収集をしたりする時間取れないというケースもあるでしょう。

今は、医師であってもキャリアプランが必要な時代

しかし2004年に新医師臨床研修制度が導入されてからは、医師が自分自身でキャリアを選択することは珍しくなくなりました。

昨今では大学医局に限らない幅広い活躍の場が医師にはあり、一度も医局に所属した経験がないという医師の数も年々増加しています。

かつて医局は「医師のキャリア形成を支える」機能を大きく果たし、医師は医局に所属して勤務をする中である程度のキャリアを形成することができました。

しかし現在は少子高齢化社会や人口減少という背景から、医師偏在や医師不足などの課題が年々大きくなっています。そのため医局に所属していても、必ずしも医師のキャリア形成にとって有利となる勤務先へ配属をされるとは言い切れない状況です。

よって医師が理想の将来を実現するためには、自身でキャリアプランを考え、それに沿って知識や経験を計画的に積み上げていくことが重要となるのです。

医師の年代別キャリアプランと特徴

医師の年代別キャリアプランと特徴

しかし、最初から長期的なキャリアプランを立てることは難しい…と感じる医師は少なくないはずです。

そこでまずは、20代・30代・40代・50代という年代ごとの仕事内容や環境、医師として求められることなどを理解したうえで、自分が歩みたいと思える道筋や方向性について考えていきましょう。

【20代のキャリアプラン】医師としての基盤を築く

20代の医師は、医師として独り立ちできるように土台を作っていく時期であるといわれます。

この期間で多くの診療経験を積み、知識やスキルを身に付けることで、将来の選択肢の幅が大きく広がります。

医師は初期臨床研修の2年間で基礎的な臨床スキルを身につけた後、専門性を確立するために3~5年間の専門研修プログラムに進みます。

専門医資格の取得を1つのゴールとして設定し、日々研鑽を深めていくという方も多いでしょう。

なお、研修修了後の勤務先が大学医局である場合には、年次によってある程度のキャリアパスが決まっていく傾向があります。

大学医局に所属する医師は、高度医療に携われる、教育や指導体制が充実している等のメリットを多く享受できる一方、臨床に集中できない、関連病院へ頻繁に異動があるといったデメリットもあります。

一方の市中病院は、より臨床に集中することができる環境が整っているといえます。

しかし論文執筆や研究などのアカデミックな活動に打ち込む機会や、最先端の医療に携わる機会が少なくなってしまうということも考えられます。

研究を極めていくのか、臨床で進んでいくのか。スペシャリストとジェネラリスト、どちらを目指すのか。

医師にとっての20代は、実際に医師として働くなかで自分の希望や優先順位を確かめながら、少しずつ自身の方向性を固めていく時期です。

【30代の医師キャリアプラン】スキルを磨き、自身の価値を高めていく

医師にとっての30代は、経験をさらに積み重ねることで、より高いスキルを習得していくキャリアステージです。

体力・気力も十分にある時期であり、サブスペシャルティも含めた専門性を極めながら、マネジメントや後輩医師の指導を経験する医師も増えてきます。

特に専門医を取得し、一定の裁量権をもって経験を積んだ30代半ば~後半になると、キャリアの選択肢が大幅に広がります。

そのため医局を離れて転職をする、市中病院から他の医療機関へ転職するといったキャリアチェンジを検討しはじめる医師も多くなってきます

医師の転職市場において、30代の医師はいわゆる「売り手市場」となる年代です。

特にこの時期は、自分が望む条件での転職が実現しやすい時期ともいえるでしょう。

また、30代は結婚や出産・育児などのライフイベントが発生しやすい年代でもあります。

このような変化に合わせて、仕事とプライベートの両立を目指したい、ワークライフバランスを整えたいといった理由から働き方や勤務先を変える医師もいます。

育児との両立を希望する女性医師の場合は、短時間勤務や非常勤勤務といった働き方で臨床現場と長期間離れない方法を検討していくと、その後の復職やキャリア形成がスムーズに進むでしょう。

【40代の医師キャリアプラン】生涯年収や今後のキャリアを左右する決断が求められる

40代は医師としての評価がますます高まり、脂がのってくる好調な時期です。

経験豊富でスキルが洗練された40代の医師の市場価値は高く、部長職などの役職付きで好待遇なオファーも多くなる40代は、医師転職で最も有利な年代といえるでしょう。

そんな40代の医師がキャリアプランを検討する際、特に意識しておきたいのは待遇面です。

大学医局に所属している場合、40代に入るとある程度の将来像が見えてきます。

医局に残って高いポストを目指していくのか、もしくは医局を離れて高待遇で招き入れてくれる医療機関へ転職するのか、という選択肢が考えられるでしょう。

市中病院で勤務をしている場合には、現役を続けていくのか、それとも指導的立場を目指していくのか。

また、ジェネラリストを目指すのか、専門性を追求するのかといった点は検討しておきたいポイントとなります。

なお40代の医師は医療機関からのニーズが特に高いため、年収面だけでなく働き方についての要望も通りやすい傾向がみられます。

相場から極端な逸脱がなければ、「当直なしで勤務したい」「年俸を上げたい」といった希望に沿って雇用条件を調整してもらえるというケースも多くあります。

自分の希望条件や優先順位をじっくりと固めてから、医療機関との条件交渉に臨むと良いでしょう。

\自分では言いにくいことも、代わりに交渉してもらえる/

このように40代の医師転職では待遇面が改善する可能性が高くなりますが、得られる報酬と自身が貢献できることのバランスを常に意識することも大切です。

特に部長職などのポストを希望する場合には、P/L(損益計算書)やB/S(貸借対照表)などを把握したうえでの経営的な視点が求められるケースもありますので、事前に確認しておくと安心でしょう。

なお、自身の診療スタイルが確立されてきている40代の医師の転職で注意しておきたい点は、「転職前とのギャップ」です。

施設によって細かな手技が異なったり、看護師に任せる範囲が違ってきたりするでしょう。このような場合にも施設の方針を柔軟に受け入れることができる姿勢を持つ医師は、医療機関から高く評価される傾向があります。

もし開業を考えている場合には、40代での決断がおすすめです。

この時期を過ぎての開業ももちろん可能ではありますが、金融機関から融資を受けるためのハードルが上がってしまう、勤務先で高いポストに就いているために開業の決断がいっそう難しくなってしまう、といった可能性が高まります。

40代は、育児をしてきた医師の場合には子の成長に伴う教育費などが大きくなる、自分自身の老後資金のことを考え始めるといった時期でもあります。

現勤務先や転職先候補とする医療機関に退職金制度があるのか等、今後のキャリアで得られる生涯年収をしっかり検討したうえで、キャリアプランを立てていくようにしましょう。

【50代の医師キャリアプラン】医師としての最終地点を見定める

一般的に医師としてのクオリティが最も高まるのが50代であり、役職に就いているなど大きな責任を担う医師も少なくありません。

ここまで走ってきた路線を継続するのか、新たな世界へ踏み出すのか、定年後を見据えて少し早めにセカンドキャリアに歩みを進めるのか。

50代は、医師が自身の大きな方向性を選択できる最後の世代といえるでしょう。

勤務医の場合は、そろそろ定年が視野に入ってくる年代に入ります。

勤務医の定年といえば60歳 もしくは再雇用で65歳まで、民間病院勤務の場合には70歳まで現役を続けられるかもしれません。

慣れ親しんだ勤務先で納得のいく役職や待遇のもと、定年まで勤め上げることも1つの選択肢でしょう。

ただし、外科など診療科によっては加齢によって自分の力をフルに発揮できなくなる場合もあり、施設内でゆるやかな転向をするケースも多くあります。

50代で働く環境を変えることは心身ともに大きな負担がかかってしまうかもしれませんが、これまでのキャリアを活かせるようなキャリアチェンジであれば力が発揮しやすく、医療機関からも歓迎されやすいでしょう。

例えば消化器領域の外科医が手術メインの業務内容から内科的治療中心の診療にシフトしていく、整形外科や脳神経外科の医師がリハビリテーション科などへマイナーチェンジする、といったケースです。

60代に入ると、転職すること自体のハードルが高くなります。

そのため、もし転職を考える場合に50代のうちに実現させ、60代以降はそこで医師としてのキャリアを総括するという形が堅実でしょう。

例えば外科系から内科系に転向に転向したり、急性期病院でキャリアを築いてきた医師が当直のない療養型病院などに転職したりといったケースです。

50代の医師転職における全体的な傾向としては、ワークライフバランスを考慮して、給与水準へのこだわりよりも緩やかな働き方を希望する医師が増えてきます。

医療機関側もこのような医師のニーズを理解しており、夜間対応や当直を免除してもらえることも多くあります。

▼週4日勤務可×当直なし▼

また転職先で役職や肩書きを得ることを希望する場合は、柔軟に対応してくれるケースも少なくありません。

なお指導医資格は、50代の医師転職における強みの一つとなるでしょう。

民間病院にとって、若手医師を集めることのできる臨床研修指定病院の認定要件を満たすことは非常に重要です。

そのため、指導医としてベテランの医師を迎え入れたいという医療機関からのニーズは高くなっています。

なお、「QOLを重視して第一線からは退きたいけれど、収入も確保していきたい」という50代の医師が転職を検討する施設として多いのは、訪問診療・在宅診療のクリニックです。

訪問診療と聞くと24時間体制のイメージから敬遠しがちの方もいるかもしれません。

しかし昨今では、常勤医師の負担に配慮して夜間対応をナースや非常勤医師が担当するなどの施策を実施する施設も増えています。

収入が減ってもプライベートを大切にしたいという場合には、療養病院やリハビリ施設、介護老人保健施設(老健)などがマッチしやすい転職先といえるでしょう。

特に老健の医師募集は、セカンドキャリアを見据える年代である50代以上の医師から高い人気がありますが、求人があまり多くないため、老健での勤務を希望する場合には、長期的な覚悟が必要でしょう。

好条件の募集を逃さないためには、医師専門の転職エージェントにあらかじめ要望を伝えてタイムリーな情報収集ができる環境を整えておくと安心です。

最適なキャリアプランを立てるための2つの方法

ここまで年代別のキャリアプランをご紹介しましたが、「自分だけでキャリアプランを考えるのは難しそう…」「今考えているプランは、本当に自分に合っているのだろうか?」と悩むこともあるでしょう。

最後に、そのようなときに試していただきたい方法をご紹介します。

方法1:ロールモデルになりそうな医師に聞いてみる

ロールモデルになりそうな医師に聞いてみる

一つめの方法は、自分が考えているキャリアプランのロールモデルとなりそうな方を見つけて、その方に意見を聞いてみることです。

実際に似たような道を歩んで来た医師の実体験を聞くことで、自分が歩もうとしている将来に対する安心感が得られたり、問題点を発見できて視野が広がったりといった効果が期待できます。

方法2:転職エージェントに相談してみる

転職エージェントに相談してみる

もし身近にこのような相手が見つからない場合には、医師専門の転職エージェントに相談してみることも一つの方法です。

医師専門の転職エージェントは、自分のキャリアプランに悩む医師を数多くサポートしてきた経験があります

そのため医師のキャリアに関する多くの選択肢を知っていますし、思いがけないアドバイスがもらえることもあるでしょう。

なお、転職エージェントに相談しても「転職しない」という選択をする医師も多くいます

転職エージェントの担当者は、上述のような年代別のキャリアプランを踏まえたうえで、相談医師の状況を汲んで「転職しない方が良い」というご提案をすることも少なくありません。

キャリアプランに迷う時には、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

Dr.転職なびのすべてのコンサルタントは医療経営士資格を取得しており、医療機関の経営的な視点も持ち合わせていることが大きな特徴です。

いま医療機関から求められている医師像なども踏まえたうえで、先生のキャリアプラン策定に役立つ情報をご提供いたします。

Dr.転職なび編集部

ライター

Dr.転職なび編集部

医師の転職、キャリアアップ応援コンテンツを提供する「Dr.なび」編集部です。医師転職サービスを提供する株式会社エムステージが運営しています。

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