医師は、転職活動にどのくらいの時間をかけているのでしょうか。
本記事では、Dr.転職なびを介して転職に成功した医師を対象に行ったアンケート回答をご紹介しながら、医師の転職活動における時間の使い方や流れ、成功のポイントについて解説します。
医師が転職活動にかける期間は?
55.1%の医師は、転職活動開始から「半年以内」で転職している
Q:今回の転職活動を始めてから入職までの期間はどれくらいでしたか?
一般的には一般企業などより時間がかかるといわれる医師の転職ですが、Dr.転職なびの会員医師では「3か月以内」(32.7%)の方が最も多く、次いで「6か月以内」(22.4%)が多くなっています。
全体的に見てみると、転職活動を開始してから半年以内で転職先を決定する先生が55.1%と半数を超えているという状況です。
現職の状況や希望する条件、地域などにより一概には言えないところも大きいですが、医師が転職活動にかける期間としては3か月~6か月が一つの目安と言えそうです。
一方で「1年以内」(17.3%)や「1年以上」(12.2%)かけて、比較的じっくりと求人を探したり入職準備を進めたりする医師も全体のおよそ3割を占めています。
医師の転職では、「すぐに辞める」ことができない
希望の転職先が見つかっても「今月末で退職します」とすぐに退職をすることがなかなか難しいのが、医師の転職です。
医師の転職では、所属する医局の状況や勤務先の医師体制や担当する患者様の状況、その他業務の量などのあらゆる要素について、退職に向けた準備を計画的に進めることが求められます。
円満退職を目指すためには、患者様への責任をしっかりと果たし、現勤務先への負担をなるべく軽減できるタイミングを図りながら業務引継ぎを行うなどの配慮を行う必要があるでしょう。
そのためには、まずは医師の転職活動で必要となることをあらかじめ把握したうえで、適切なタイミングで行動を起こしていくことが大切になります。
医師が転職を成功させるための5つのステップと注意点
医師の転職活動は、一般的には以下のような流れで進むケースが多くなっています。
どのフローに、どのくらいの時間を要するのか。
ご自身の状況と照らし合わせながら、「もしも自分が転職活動をする場合は…」と想像しながら、スケジュールを組み立ててみましょう。
①希望条件の整理、優先順位付けをする
ご自身の中に検討の軸を持たない状態で募集を探し始めてしまうと、本当に希望に合う転職先を見つけるまでに長く時間がかかってしまう可能性があります。
そこで最初に行っておきたいのが、ご自身の気持ちの棚卸しです。
今回の転職で実現したいこと、変えたいと考えていることなど、思いつくことを一旦出し切った後で、「決して譲れないこと」「もしも実現できたらうれしいこと」といった視点で優先順位を付け、条件の整理を進めていきましょう。
▼棚卸しも、エージェントを活用すれば よりスムーズに!
②情報収集を行い、比較検討する
次に、①の優先順位付けで「決して譲れないこと」とした条件を満たす医師募集を具体的に探していきます。
医療機関のホームページの情報や口コミなど、偏りのない多角的な情報を集めていきましょう。
医師専門の求人サイトは一般に公開されていない募集も多数掲載されており、そのエリアや科目の相場観を掴むこともできるので、有用な情報源となるでしょう。
また転職エージェントに依頼をすると、求人票に記載されていない、より詳しい内部情報を提供してくれることもありますので上手に活用しましょう。
②医師求人に応募する
関心がある募集と出会ったら、応募の手続きを行います。
医療機関によるところもありますが、一般的には履歴書や職務経歴書の提出が求められます。
以下の記事も参考に、受け取り手の読みやすさに配慮しながらご自身の強みや思いをしっかりと伝えられるように記載しましょう。
▼初めての転職でも大丈夫!医師転職における「履歴書」作成のポイント
③医療機関との面談、病院見学
書類選考に通過した後は、医療機関側との面談を行います。
医療機関にもよりますが、多くの場合は1回~2回の面談を経たのちに採用可否が決定します。
面談では、これまで培った経験やスキルについて質問を受けたり、転職先で貢献できることや実現したいことをアピールしたりしながら、応募医師と医療機関側で相互理解を深めていきます。
面談では医療機関側からの質問に受け答えするだけでなく、気になることがあれば積極的に質問をしてみるのもお勧めです。
面談は医療機関側が「応募医師は、求める医師像にマッチするか」を確認するだけの場ではなく、応募医師にとっても「この医療機関は、自身の希望にマッチするか」を見極める場でもあるのです。
▼好印象を与える&NGな質問を事前にチェック!
④内定後、条件の交渉や調整を行う
応募先から内定の通知を受け取ることができた後は、待遇面などの雇用条件をしっかりと確認していきましょう。
Dr.転職なびで実施した、転職に失敗した経験がある医師へのアンケートで「また転職する機会があったら、事前に確認しておきたいこと」を尋ねたところ、最も多かったのは「雇用条件は、不明点が無いようにしっかりと確認する」、次いで多かったのは「雇用条件は明文化して、書類で残す」という回答でした。
▼医師転職でよくある「後悔のパターン」をご紹介
気持ち良く働き始められるよう、また長く働き続けられるように、内定を承諾する前に医師と医療機関の間での認識のズレをなくすことが大切です。
なお複数の医療機関に応募をしている場合には、いくつも内定をもらえるというケースもあります。
どの医療機関に入職するか迷う場合には、率直に懸念事項や希望を医療機関に伝えて、より希望を実現できる条件に調整できないか交渉してみることも可能です。
確認や交渉は自分が納得できるまで行うことで、「こんなはずじゃなかった…」という後悔を残すことのない転職が実現できるはずです。
先生に代わって、医師転職のプロが条件交渉!
⑤現勤務先への退職交渉、業務引継ぎ
雇用条件の確認や調整が完了したら、いまの勤務先に退職の意向を伝えます。
退職交渉の際は強い引き留めにあうことも考えられますが、自身の考えを事前に固めたうえで、曖昧な表現を避けてしっかりと意向を伝えるようにしましょう。
一般的には退職の申し出から退職までにかかる期間はおよそ3か月といわれますが、その医療機関の医師体制や状況によってその期間は異なってきます。
特に、大学医局に所属している場合には、退職までに時間が長くかかる傾向がみられます。
実際に、転職先の医療機関は早めに決定しておきながら転職すること自体はいまの勤務先が体制を整えやすい時期に合わせて行うという医師もいます。
また、思うように退職交渉や業務引継ぎが進まなかったために、転職先の医療機関に入職時期を調整してもらうというケースもあります。
退職交渉は、医師の転職活動における最も重要な局面です。
申し出のタイミングや伝え方など迷うことがあれば、身近で転職を経験している医師に話を聞いたり、医師専門の転職エージェントに事例を尋ねたりしてみるのも良いでしょう。
いかがでしたか?
今回は、医師が転職活動に費やしている期間と、大まかな流れについてご紹介しました。
ご覧いただくなかで、「思っていたより、すべきことが多い」という印象を受けた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くの医師は在職中に転職活動を行い、転職を成功させています。
ただでさえ多忙なご勤務の合間に多くのステップを進めていくことは、想像以上に負担が掛かるかもしれません。
そのような時には、医師の転職に詳しいエージェントを活用することが負担軽減に役立ちます。
ご自身で労力をかけるべきところとそうではないところをエージェントと分担することができるようになると、自分一人で行うよりもスムーズに転職活動を進めることが可能になります。
特にはじめて転職活動を始める際には、お住まいのエリアの医師転職事情や医師のキャリア形成にも詳しいDr.転職なびのコンサルタントにご相談ください。
過去の事例紹介も含めて、後悔のない転職活動を進めるために有益な情報を無料でご提供いたします。
◆調査概要
調査日:2021年11月下旬
対象:Dr.転職なびを介して、2020年4月~2021年8月に入職した医師
調査方法:webアンケート
有効回答数:98