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【調査】「もう限界…」と思ったら振り返りたい、医師を支えている言葉・エピソード

【調査】「もう限界…」と思ったら振り返りたい、医師を支えている言葉・エピソード

長時間労働などのハードな労働環境に置かれ、様々な人間関係のなかで全方位的なコミュニケーションを求められることも多いのが、医師という職業です。
このような環境下で過度なストレスを感じたり、心身ともに疲弊してしまったり、気持ちが折れてしまいそうになることもあるでしょう。

今回はDr.転職なびの医師会員203名にお聞きした、医師が仕事で壁にぶつかったときに心の支えとしている言葉やエピソードをご紹介します。

半数以上の医師が「医師を辞めたい」と思ったことがある

Q:これまでに、医師を「辞めたい」と思った経験はありますか?

Q:これまでに、医師を「辞めたい」と思った経験はありますか?

今回のアンケートでは、55.2%の方が「医師を辞めたい」と思った経験があると回答しました。

なお別で実施のアンケート(※1)では、7割を越える医師が仕事上でストレスを感じており、そのストレスの要因として最も多く挙げられたのは「職場の人間関係」でした。
次いで「業務量の多さ」「給与など経済的なこと」の順に多くなっており、医師を取り巻く労働環境には様々なストレス要因が日常的に存在していることが伺われる結果となりました。

多くの医師を支えているのは、患者様からの言葉

多くの医師を支えているのは、患者様からの言葉

次に、ハードな労働環境に置かれながらも、日々患者様の健康や命と向き合うという重責を担い続ける医師の原動力となっている言葉やエピソードについて聞きました。

Q:医師として働く中で「心の拠りどころ」や「心の支え」となっている言葉やエピソードはありますか?

次に、ハードな労働環境に置かれながらも、日々患者様の健康や命と向き合うという重責を担い続ける医師の原動力となっている言葉やエピソードについて聞きました。


Q:医師として働く中で「心の拠りどころ」や「心の支え」となっている言葉やエピソードはありますか?

Q:それは、どなたからの言葉/どなたとのエピソードですか?

Q:それは、どなたからの言葉/どなたとのエピソードですか?

59%の医師が、「医師として働く中で心の拠りどころや支えとなっている言葉・エピソードがある」と回答しています。

また、その言葉・エピソードの相手としては「患者様」(回答数:44)が最多で、次いで「先輩の医師」(回答数:26)、「家族」(回答数:20)の順に多くなっています。

医師が働く上で、大切にしている言葉・エピソード

医師が働く上で、大切にしている言葉・エピソード

本アンケートで医師から寄せられた、折れそうな心をそっと支えてくれるような温かい言葉や、医師としての自分を奮起させてくれるようなエピソードの中から 一部を抜粋してご紹介します。

◆患者様からの言葉・エピソード

「ありがとう」という、心からの言葉。(50代/一般内科/一般病院勤務)

・日々の診療に対しての感謝のお手紙をもらったり、医療以外でも患者さんと楽しく話ができたりすると、とても嬉しく温かい気持ちになる。(30代/呼吸器内科/クリニック・診療所勤務)

・自分が病院を移っても、多くの患者様が継続して転職先の病院の外来を受診してくれること。(30代/消化器内科/クリニック・診療所勤務)

・患者さんが亡くなる直前に娘さんから聞いた「父は病気で辛かったと思いますが、先生が『一緒に頑張ろうね』と言ってくれたと非常に喜んでいて、だからここまで頑張れたんです」という言葉。
自分ではハッキリと覚えていなかったのだが、良くも悪くも何気ない言葉が患者さんに影響を与えているのだなぁと思った。(50代/一般外科/一般病院勤務)

・内科で研修中、患者さんの話や訴えを長時間にわたって聞いていたところ、指導医からサボっていたのではと誤解されてしまった。
その患者さんが退院の際に「あの時間(僕に話をしていた時間)がなければ、耐えられなかった。先生が一番良い医者だったよ、ありがとう」と言ってくれた。
今でもその方を裏切らないように、と思い頑張っているつもり。現在は、存分に傾聴・共感することができる精神科にいる。(50代/精神科/クリニック・診療所勤務)

◆先輩の医師からの言葉・エピソード

「それが全力か?」という言葉。(40代/皮膚科/クリニック・診療所勤務)

・手術中に先輩の質問に答えられないときに、メスを投げつけられながら言われた「出て行け」という言葉。(50代/放射線科/非常勤)

「医者は医療に関して、他人が言ったことを簡単に信用するな」という言葉。
新米の頃、先輩から指導を受けた際に与えられた知識を鵜呑みにせず、自分できちんと裏を取り納得するように、という意味だった。
それ以降は上級医に言われたことでも、ひとまず自分で調べる習慣がついた。(40代/呼吸器内科/一般病院勤務)

・大学卒業時に「何かあってどうにもならなくなったら、いつでもここに戻ってこい」と言ってくれた教授の言葉が心の支えになった。(60代/一般内科/クリニック・診療所勤務)

・患者さんから暴言を言われた時に、先輩から「君を必要としている患者さんが待っている。」と言われ、とても救われた。(40代/精神科/一般病院)

◆その他

・恩師からの「患者さんは、心に串が刺さっている人達なので、医師になってその串をバンバン抜いてあげてほしい。」という言葉。(30代/消化器内科/一般病院勤務)

「道はじぶんでつくる、道はじぶんでひらく、人のつくった道は自分の道にはならない。」という、相田みつをさんの『道』という詩。(30代/放射線科/クリニック・診療所勤務)

・ラジオ番組での元プロスポーツ選手が言っていた「うまくいかなかったときに『ああもうダメだ』ではなく、対策を考えた上で『次に同じ場面が早く来い』と思えるかどうかが大事。」という言葉。(30代/眼科/一般病院勤務)

・故・中村勘三郎がラジオで言っていた「型があるから型破り、型が無ければ形無し」という言葉。
どんな奇抜なことをしようとしても、基本ができていないと話にならない。
医者も病気や薬の基礎を知らずには良い治療はできない。(60代/小児科/クリニック・診療所勤務)

◆家族からの言葉・エピソード

・前の職場をやめようか悩んでいたときに、「自分の好きなことをすればいい。結果はあとから必ずついてくるから。」と妻が言ってくれた言葉。(30代/内科/クリニック・診療所勤務)

「あなたは、医師に向いている。」という母の言葉。(50代/一般外科/一般病院勤務)

子供が、自分を尊敬してくれていること。(60代/一般外科/一般病院勤務)

医師が「医師になって良かった」と感じる理由

医師が「医師になって良かった」と感じる理由

今回のアンケートでは90.1%の医師が、働く中で「医師になって良かった」と感じた経験があると回答しました。

Q:これまでに、「医師になって良かった」と感じたことはありますか?

今回のアンケートでは90.2%の医師が、働く中で「医師になって良かった」と感じた経験があると回答しました。

Q:これまでに、「医師になって良かった」と感じたことはありますか?

▼「医師になって良かった」と感じない理由

・他者に対して自分が行っている事のほとんどが、自己満足に思えてしまうため。(60代/循環器内科/大学病院勤務)

▼「医師になって良かった」と感じる理由

◆人から感謝される、役に立つことができる

患者様から「ありがとう」と言われると、医師になってよかったと思う。(30代/一般内科/クリニック・診療所勤務)

患者さんが喜んでくれる状況に立ち会うことができる。(60代/一般外科/一般病院勤務)

・絶対助からないと思っていた患者が元気になり、その後看護師になったと聞いた時、本当にうれしかった。(40代/腎臓内科/大学病院勤務)

人々の役に立てたということを実感、経験できている。(30代/美容皮膚科/クリニック・診療所勤務)

◆仕事のやりがいが大きい

・無我夢中で目の前の仕事に取り組んでいる中で、その知識や技術が診断に繋がった時。(40代/循環器内科/クリニック・診療所勤務)

人の生死に直接関わる場面を、数えきれないほど経験できる。(60代/消化器内科/一般病院勤務)

自己裁量、決定の権限が若い時からある。(30代/整形外科/非常勤)

人の命を救うことができる。(60代/人工透析内科/クリニック・診療所勤務)

◆ワークライフバランスを大切にできる

・短時間勤務など、自由な働き方もできる。(40代/小児科/その他勤務)

・安定していて、自由な時間がとりやすい。(30代/整形外科/一般病院勤務)

・出産や育児を経ても、仕事を継続できた。(40代/精神科/クリニック・診療所勤務)

・IT会社の産業医をやったが、社員の残業時間の多さにびっくりした。会社員にならなくてよかったと思った。(60代/精神科/一般病院勤務)

◆就職先に困らない

・人の役に立てる立場で、他の職種よりも就職しやすいと感じる。(30代/一般内科/非常勤)

・転職を検討した際に、医師免許があると幅広い勤務先が選択肢に挙がる。(30代/精神科/一般病院勤務)

・コロナ前は食いっぱぐれることがない職業なので「医師になって良かった」と思ったことはある。(50代/耳鼻いんこう科/クリニック・診療所勤務)

◆その他

社会的な地位の高さが得られる。(40代/精神科/一般病院勤務)

・そこそこ良い収入が得られる。(50代/一般内科/クリニック・診療所勤務)

また、およそ7割の医師は 生まれ変わっても「また医師になりたい」と答えています。

Q:もし生まれ変わっても、「また医師になりたい」と思いますか?

Q:もし生まれ変わっても、「また医師になりたい」と思いますか?

◆もう医師になりたくない理由

・医師としての人生は特別なものだが、ある面偏狭なところがあり、自己犠牲も相当あるから。
1回経験すれば充分であり、もっと自由を謳歌する別の人生も送ってみたい。(60代/一般内科/クリニック・診療所勤務)

・もう十分に疲れ果てたから。(60代/消化器内科/一般病院勤務)

・今後は努力に見合ったリターンが得られるか分からないから。(30代/消化器内科/クリニック・診療所勤務)

・医師しか知らないから、違う人生を歩んでみたい。(30代/一般内科/クリニック・診療所勤務)

◆また医師になりたい理由

社会貢献ができるから。(30代/外科系その他/一般病院勤務)

知識も得られるし、手堅い収入があるから。(50代/循環器内科/クリニック・診療所勤務)

自分で働き方を選べるし、経済的な不安は全くないから。(60代/精神科/一般病院勤務)

患者さんの人生に、こんなにもダイナミックに関われる仕事はおもしろいと思うから。(20代/血液内科/大学病院勤務)

人に頼られ、感謝され、いい仕事だと思うから。(40代/一般内科/クリニック・診療所勤務)

この仕事が好きだから。(50代/形成外科/一般病院)

・職業として、これ以上にやりがいのある仕事が思い浮かばないから。(40代/内分泌科/一般病院)

最高の職業だから。(60代/人工透析内科/クリニック・診療所勤務)

いかがでしたか?
ここまで、医師が働くうえで大切にしている言葉やエピソードをご紹介しました。

医師という職業は、心身ともにハードな職種であるともいえます。
一方で、人の命や健康と向き合う医師だからこそ得られる大きなやりがいや、今回ご紹介したような大切にしたい言葉やエピソードと出会う機会が得られるという一面もあるようです。

医師として働くことの意義を見失いそうになったときには、今まで患者様など周りの方から受け取ってきた言葉やエピソードを思い返してみると再び前を向いて働くための原動力になるかもしれません。

◆調査概要

「医師として働く中で大切にしている言葉・エピソードについてのアンケート」

調査日:2022年11月8日~11月15日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師

調査方法:webアンケート

回答数:203

(※1)「医師のメンタルヘルスとストレス解消法についてのアンケート」

調査日:2022年10月25日~10月28日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師

調査方法:webアンケート

回答数:353

Dr.転職なび編集部

ライター

Dr.転職なび編集部

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