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【調査】32.8%が年収減?「医師の働き方改革」で変わる医師のアルバイトと収入事情

【アンケート】32.8%の医師が年収減?「医師の働き方改革」で変わる医師アルバイトと年収事情

多くの医師は常勤先などの主たる勤務先以外の医療機関で非常勤勤務(アルバイト)を行い収入を得ています。

しかし2024年4月から始まる「医師の働き方改革」の影響によって、大半の医師は今まで通りの感覚でアルバイトをすることができなくなることが予測されます。

今回Dr.なびでは「医師の働き方改革」以降に見込まれる医師アルバイトや年収の変化についてアンケートを実施し、359名の医師から回答を得ました。

本記事では上記の調査結果をもとに、「医師の働き方改革」による医師のアルバイトと収入へ影響や、収入維持のための対策についてお伝えします。

「医師の働き方改革」で、医師の年収はどう変わる?

32.8%の医師は「医師の働き方改革」以降、年収が減ると見込んでいる

「医師の働き方改革」の影響で自身の収入にどのような変化が予想されるか尋ねました。

Q:2024年4月の「医師の働き方改革」施行後、年収(常勤、アルバイトでの収入等の合計)にはどのような変化が見込まれますか?

Q:2024年4月の「医師の働き方改革」施行後、年収(常勤、アルバイトでの収入等の合計)にはどのような変化が見込まれますか?

2024年4月からの「医師の働き方改革」以降の年収変化については「あまり変わらない」(42.9%)が最多となり、次いで「減少する」(26.7%)、「まだ分からない」(21.2%)、「大幅に減少する」(6.1%)、「増加する」(3.1%)の順に回答が多くなっています。

「医師の働き方改革」以降も収入は変わらないと考える医師が全体の4割を超える一方で、およそ3人に1人の割合で「医師の働き方改革」以降は年収が減少する(「大幅に減少する」と「減少する」の回答を集計)と考える医師も存在しています。

◆大幅に減少する

・明らかに大幅な収入減となるので、やめてほしい。(60代以上/小児科/一般病院勤務)

◆減少する

・収入減は避けられない。(50代/一般内科/一般病院勤務)

・大学病院や急性期公立病院などへ勤務する若手医師が減るように思います。(40代/総合診療科/大学病院勤務)

・常勤の勤務時間を制限して、休みたい人は休んで 稼ぎたい人は稼ぐなど バイトは自由に出来るようにして欲しい。(40代/形成外科/一般病院勤務)

・バイトの単価を上げてほしい。(30代/救急科/一般病院勤務)

・常勤の給料アップを目指します。(50代/一般内科/一般病院勤務)

◆あまり変わらない

・内容をよく理解していません。(30代/脳神経外科/非常勤)

・今のシステムは医師への負担が大きいので、長期的には良いと思う。(30代/整形外科/一般病院勤務)

・業務内容が変わらなければ、今とあまり何も変わらないと思う。(50代/美容皮膚科/クリニック・診療所勤務)

◆増加する

・目の前に患者がいるのに「勤務時間終了だから帰ります」と医師は言えない。なので、改革にはならないと思われる。(50代/一般内科/非常勤)

◆まだ分からない

・決まった事は、仕方ないが勤務先の選択はやや慎重になりそう。(50代/一般内科/クリニック・診療所勤務)

・現時点では影響についてよくわかりません。(30代/呼吸器内科/健診機関勤務)

「医師の働き方改革」以降の医師年収が減る大きな理由は、非常勤先からの収入減

上記の質問で「大幅に減少する」または「減少する」と回答した医師に、その理由を聞きました。

Q:収入が減少してしまう理由として、最も当てはまるものを教えて下さい。

Q:収入が減少してしまう理由として、最も当てはまるものを教えて下さい。

最も多かったのは「非常勤での収入が減少するため」(64%)で、次いで「常勤先の収入が減少するため」(19%)、「常勤・非常勤両方の収入が減少するため」(16%)の順に回答が多くなっています。

「医師の働き方改革」以降に年収が減ると見込む医師が特に懸念しているのは、これまで通りアルバイトできなくなることができなくなることによる「非常勤先からの収入減」であることが分かります。

「医師の働き方改革」で、医師のアルバイトはどう変わる?

「医師の働き方改革」で、医師のアルバイトはどう変わる?

それでは2024年4月の「医師の働き方改革」以降、医師アルバイトのどのような点が変わっていくのでしょうか。

医師の4人に1人が「医師の働き方改革」でアルバイトする時間や回数が減ると予測

Q:2024年4月の「医師の働き方改革」施行後、アルバイトの回数や時間にはどのような変化が見込まれますか?

医師の4人に1人が「医師の働き方改革」でアルバイトする時間や回数が減ると予測

Q:2024年4月の「医師の働き方改革」施行後、アルバイトの回数や時間にはどのような変化が見込まれますか?

2024年4月からの「医師の働き方改革」以降にアルバイトをする回数や時間の変化について尋ねたところ、最多は「あまり変わらない」(45.7%)となりました。

一方で「減少する」と回答した医師も26.5%いました(「大幅に減少する」「減少する」の回答を集計)。

宿日直許可のあるアルバイトは、「労働時間」とみなされない

「医師の働き方改革」では、医師の時間外労働時間の上限規制が始まりますが、この適用開始を前に医師からの関心が高まっているのが「宿日直許可」です。

労働基準監督署から宿日直許可を得ていない医療機関でのアルバイトは、医師の労働時間としてカウントされます。
一方、宿日直許可を取得している医療機関でのアルバイトは、医師の労働時間とみなされません

そのためアルバイトを希望する医師の多くは、宿日直許可を取得している医療機関における募集の中から希望に合うものを探して勤務をすることになります。

上記のような理由から、宿日直許可を取得している医療機関には医師からの応募が殺到して求人の競争率が高くなる一方で、宿日直許可を得ていない医療機関では非常勤医師の採用が困難になってしまうことが懸念されています。

今後は「宿日直許可の有無」がアルバイト探しの基準になる?

では医療機関の宿日直許可取得状況は、医師のアルバイト探しにおいてどのような影響があるのでしょうか。

現在アルバイト探しの際に決め手となっている条件と、2024年4月以降にアルバイト探しの際に決め手となると思われる条件を尋ねました。

Q:アルバイト先を選ぶうえで特に決め手となる条件を教えて下さい。(3つまで選択可)

では医療機関の宿日直許可取得状況は、医師のアルバイト探しにおいてどのような影響があるのでしょうか。
現在アルバイト探しの際に決め手となっている条件と、2024年4月以降にアルバイト探しの際に決め手となると思われる条件を尋ねました。

Q:アルバイト先を選ぶうえで特に決め手となる条件を教えて下さい。(3つまで選択可)

現在も2024年4月以降も変わらず、最も多くの回答を集めたのは「曜日や時間、日程」(回答数:299、266)で、次いで「給与」(回答数:264、252)、「勤務内容」(回答数:235、217)の順に多くなっています。

「宿日直許可の取得状況」については、現在はそれほど多くはないものの、2024年4月以降を想定した場合には現在の5倍以上の回答数となっています。
宿日直許可について、「今後は重視すべきポイントになる」という印象を持っている医師が多いのかもしれません。

宿日直許可に対する医師の関心は高まっている

今後、医師がアルバイトを探す際に確認すべきポイントとなる宿日直許可。
当事者となる医師たちはこの宿日直許可についてどのくらい理解し、関心を持っているのでしょうか。

Q:宿日直許可の基準について、内容を知っていますか?

Q:宿日直許可の基準について、内容を知っていますか?

宿日直許可の基準を知っているか質問したところ「あまり知らない」(44%)という回答が最多となり、次いで「だいたい知っている」(36%)、「全く知らない」(13%)、「詳しく知っている」(5%)の順に多くなりました。

なお2022年6月に実施したDr.なび会員医師へのアンケートで同じ内容を尋ねた結果と比較してみると、前回調査では28.4%を占めていた「全く知らない」が本調査では13.9%まで低下。
一方、前回調査で25.5%だった「だいたい知っている」は36.5%まで上昇しており、2024年4月の「医師の働き方改革」に向けて、医師の宿日直許可に対する理解度が高まっていることが伺われます。

また、医療機関の宿日直許可の取得状況について関心があると回答した医師も54.6%と全体の半数を超えています(「大いに関心がある」と「関心がある」の回答を集計)。

Q:医療機関が「宿日直許可を取得しているかどうか」について、関心がありますか?

また、医療機関の宿日直許可の取得状況について関心があると回答した医師も54.6%と全体の半数を超えています(「大いに関心がある」と「関心がある」の回答を集計)。

Q:医療機関が「宿日直許可を取得しているかどうか」について、関心がありますか?

およそ8割の医療機関が、宿日直許可の取得を希望

このように医師の理解度・関心度が高まる宿日直許可ですが、医療機関ではどの程度の準備が進んでいるのでしょうか。

2022年11月に全国の医療機関に向けて実施したアンケート(回答数:286院)で 現在の宿日直許可の取得状況を尋ねたところ、78.2%の医療機関ではすでに宿日直許可を取得済み、または取得を希望していることが分かりました(「宿日直許可を申請する予定はない」、「まだ分からない」以外の回答を集計)。

また65%の医療機関は、宿日直許可の取得状況が自院の医師体制確保に影響する(「大きな影響がある」「影響がある」の回答を集計)と回答しており、医療機関は危機感を持って2024年4月に向けた準備を進めていることが伺われる結果となりました。

医療機関からのコメントでは、大学医局からの医師派遣が引き上げとなってしまうことへの不安や、現在の医療提供体制を維持できなくなってしまうのではという懸念の声が数多く寄せられています。

このような状況から、宿日直許可の取得を目指す医療機関が多くなっています。

「医師の働き方改革」以降も医師が年収を維持するための対策

「医師の働き方改革」以降も医師が年収を維持するための対策

最後に、2024年4月からの「医師の働き方改革」以降の年収変化に向けた医師の対処法について聞きました。

「医師の働き方改革」で予測される年収減に備えて、医師が検討していること

Q: 2024年4月の「医師の働き方改革」施行後も年収を維持するために、検討していることはありますか?(複数回答可)

最後に、2024年4月からの「医師の働き方改革」以降の年収変化に向けた医師の対処法について聞きました。

Q: 2024年4月の「医師の働き方改革」施行後も年収を維持するために、検討していることはありますか?(複数回答可)

最も多い回答を集めたのは「投資など医業以外での収入を確保する」(回答数:172)、次いで「宿日直許可を取得している医療機関でのアルバイトを探す」(回答数:137)、「転職する」(回答数:74)、「特にない、未定」(回答数:5)という結果となりました。

「その他」(回答数:7)では、以下のような回答などが寄せられました。

・働けるうちに稼ぐ。(40代/耳鼻いんこう科/クリニック・診療所勤務)

フリーランスになる。(30代/産業医/非常勤)

開業する。(30代/呼吸器内科/一般病院勤務)

▼関連記事

宿日直許可のある非常勤求人を探すなら、求人サイトを活用して効率化を

医師が2024年4月「医師の働き方改革」以降のアルバイトを検討する際には、募集元となる医療機関が宿日直許可を取得しているかの確認が必要になってきます。

医師アルバイト情報が掲載された求人サイトは医師の情報取集において欠かせないものですが、今後は医師のニーズや時代の流れに沿った形で変化を続けていくでしょう。

本調査においても「今後医師アルバイトの求人票において、宿日直許可の取得状況が分かることは重要になる」と69%の医師が回答しています(「重要」「非常に重要」の回答を集計)。

Q:今後のアルバイト探しにおいて、求人票や検索条件等で医療機関の「宿日直許可の取得状況」が分かることは重要になると思いますか?

Q:今後のアルバイト探しにおいて、求人票や検索条件等で医療機関の「宿日直許可の取得状況」が分かることは重要になると思いますか?

2024年4月「医師の働き方改革」に向けたアルバイト探しは「Dr.アルなび」で!

「Dr.転職なび」の姉妹サイト「Dr.アルなび」が2022年5月に実施したアンケートでは、58.2%の医師が「Dr.アルなびの求人票やコンサルタントから提供される情報は詳しい・分かりやすい」と評価してくださっています。

2024年4月に向けて競争率がより激化していくと推測される医師アルバイト市場に迎え撃つためには、精度の高いアルバイト情報を効率的に入手できる環境を整えておくと安心です。

「医師の働き方改革」に向けて転職を検討する医師も多い

2024年4月の「医師の働き方改革」に向けた対策として3番目に多い医師の回答を集めたのは、転職でした。

2024年4月から施行される「医師の働き方改革」の大きな目的は、医師の健康確保と労働環境改善とされており、実現を期待する医師の意見も寄せられています。

無駄な時間外勤務をしている人が減って欲しい。(50代/健診・ドック/クリニック・診療所勤務)

・これまで就業時間という概念があまりなかったかと思いますので、大きな流れを作っていただいことは医師にとって過労を防ぐ手立てとなるといいなと思います
一方で、中小規模の医療機関ではどの程度遵守されるのか、懸念されます。(30代/呼吸器内科/健診機関勤務)

2024年4月の「医師の働き方改革」施行開始が迫る中、「いまの勤務先で、本当に医師の働き方改革に準ずる働き方を実現することができるのだろうか?」と疑問を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような状況下で医療業界全体が迎える大きなターニングポイントである「医師の働き方改革」を機会と捉え、より良い働き方を実現するために転職を検討している医師も少なくないようです。

なお2022年6月実施の会員医師へのアンケート(回答数:1,276)では、85.9%の医師が もし転職する機会があれば医療機関の働き方改革への取り組み状況を重視すると回答しています(「重視する」「まあ重視する」の回答を集計)。

いまや「医師の働き方改革」に積極的に取り組むことは、医師に選ばれる医療機関の条件として重要なポイントとなっているようです。

「Dr.転職なび」では、各医療機関の「医師の働き方改革」への取り組み状況をはじめとした内部情報を専任担当が入手し、会員の先生方限定でご提供しています。

「本当に転職するか分からない」、「とりあえず情報収集だけ」という方も大歓迎です。
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◆調査概要
「医師の働き方改革」以降に予測される変化についてのアンケート

調査日:2022年11月22日~11月29日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師

調査方法:webアンケート

回答数:359

Dr.転職なび編集部

ライター

Dr.転職なび編集部

医師の転職、キャリアアップ応援コンテンツを提供する「Dr.なび」編集部です。医師転職サービスを提供する株式会社エムステージが運営しています。

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